水域利用を目的とした塗料に関する試験事例
水域、特に海域は付着生物による被害だけでなく、金属や木材においては腐食が進みやすいなどの課題があります。
例えば船舶等においては付着生物が多いと航行時に抵抗が増える為燃費が悪化するだけでなく、剥離後の基材が傷みやすくなったり、スクリューなどの機構部にぶつかった場合破損を招く恐れもあります。
そうした課題を解決するために船舶用塗料や沿岸部でも利用可能な塗料の開発がすすめられてきました。
特に近年では、環境や生物に対してできるだけやさしい素材の開発が求められるようになってきております。
この塗料の海水生物に対する影響評価試験について弊社で実施した事例をご紹介いたします。
まずお客様のご要望は、ムラサキイガイやカキ等の付着性の生物が活着する事をどの程度防ぐことができるか、実海域で評価したい、というものでした。
このご要望に対し、弊社としての回答は、
・季節的にターゲットの生物が付着する時期ではない
・もし試験海域で生物に影響が出た場合大きな問題となる
・さらに変動要因があまりに多く、結果の再現性に疑義が生じやすい
・まずは陸上、閉鎖環境において評価し、一定の知見が得られた後に実海域での試験を実施するべき
というものでした。
弊社では季節外れであったとしても、人工的にムラサキイガイや牡蠣類の幼生を生産することができ、被験生物を入手することは可能でした。
また、天然海水をかけ流しで使用することができるインフラもあり、試験再現性をある程度確保することも可能です。
結果、開発塗料を塗布したものと対照を同一水槽内に垂下し、付着幼生数から統計的に付着性生物の活着予防効果について検証する試験を実施させていただくこととなりました。
弊社では人工的に被験生物を生産できる強みがあり、ある程度任意のタイミングで試験実施が可能です。もしご興味がありましたら是非一度ご相談ください。
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