![]() |
No.0095 2004年5月10日 ┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃●┃ 微細・極薄製品に特化した、脅威の高精度プレス加工技術! ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 製造業界では、更なるコスト削減、小型化、軽量化が至上命題となっていま す。これらを実現するために、従来技術の効率化では対応できない要求もあ り、加工方法を根本から見直し対応をする企業があります。 今回は、フォトエッチングや切削加工をプレス加工に置き換え、その限界に 挑戦し続けている株式会社ゼロムのご紹介です。実は、今回で2回目の登場 ですが、事例情報を紹介する了解がとれたので、皆さんにご紹介します。 「プレス化が実現できれば・・・」と思う部品があれば相談されてみてはい かがでしょうか。 ※※※※※※※※※※※【 ここにフォーカス! 】※※※※※※※※※※※ プレスでは不可能といわれた「微細・極薄」加工をプレス化する 株式会社ゼロム ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 同社は、大阪に本社を置くプレスメーカーで、精密金型の設計製作から量 産加工まで一貫生産体制を構築されています。特に、微細・極薄品のプ レス化に注力され、プレスでは不可能と言われていた製品へも積極的にチャ レンジされています。以下に、その実例を紹介しましょう。 ■「エッチング加工」を「プレス加工」に変えて、大幅コストダウンを実現!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本来「エッチング加工」で行うべき工程を、それ以上の精度をもって「プレ ス加工」で実現した事例です。これにより、製品精度のバラつき防止。加 工時間の短縮等が実現しております。 (1)「微細抜き曲げ加工」の事例 粘りと固さを併せ持つベリリューム銅での事例です。製品の板厚0.065mm に対して、最小桟幅0.085mmの抜き加工。公差精度は±0.005mm。桟幅を ホールドするために不可欠なストリッパー・ポストの加工も対応しまし た。従来はエッチング加工で処理していたものをプレス加工にて実現し た事例です。 (2)「極薄抜き加工」の事例 粘性があるタフピッチ銅、しかも素材厚40μと極薄。パンチ幅0.15mmの 抜き加工をした事例です。 プレスに不可欠なストリッパーとパンチのクリアランスを1μで設定。 体温によっても数μの変化が生じます。熱膨張も計算したクリアランス 設定を実施。本来なら「フォトエッチング加工」の領域ですが、プレス加 工で実現。製品精度のバラつきがなくなり歩留まりが向上できました。 ■「切削加工」「2部品を接合」を「プレス加工」に変えて、 資材コストの大幅削減を実現!!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本来「切削加工」で行う工程を、独自に開発した特殊機構により「プレス加 工」で実現した事例です。同時に材料の量も従来の80%に削減できました。 (3)「精密コイニング加工」の事例 平板に逆テーパーで突起がある形状。突起先端部は径1.00mm、公差 +0.01、-0.003、付け根部は径1.00mm、公差-0.04-0.06。 形状を考えると「切削加工」が常道のところを、安定した供給を行うと 同時にコスト対策として「プレス加工」に挑戦しました。 金型に特殊機構を取り入れ「逆テーパー形状の加工を可能」にし、天面 の平坦度と真円度を確保するため「材肉の潰し量及び潰された材肉移動 の相関関係シミュレーション」。量産時の公差をクリアするために独自 の工程管理技術」を確立し、また「潰した材肉の移動を利用しての材料 厚削減し、材料コストも80%に削減」いたしました。 ■「超高精度プレス加工」を支える「測定技術」&「金型製作技術」!!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 開発から設計・製作までの全工程を自社で行う「(株)ゼロム」の高精度を 支えるものに「測定技術」と「金型製作技術」があります。 分解能0.2μm、測定精度0.5μm(20℃)を誇るカールツァイス社製三次 元測定器(UPMC850)をはじめとする高性能測定装置により、金型製作におけ る高精度を維持されています。 ▽本メールマガジンへのご意見ご感想はこちらまで! info@atengineer.com ---<ミニ用語辞典>----------------------- エッチング加工とは 薬品やイオンの腐食作用を使って加工を行う技術。半導体の回路パターンの 成形などに利用する。微細な加工ができる反面、加工時間が長い、精度にバ ラつきがでるなどの欠点もある。 ---------------------------------- |