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No.0114 2004年10月26日 先月ご紹介しましたプラント・機器の耐食設計およびメンテナンス/長寿命 化技術の開発研究とコンサルティングを提供する、(株)材料・環境研究所 より、美浜原発の配管破裂事故の原因は別にあったという報告をご紹介しま す。 ┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃●┃美浜原子力発電所の配管破裂事故の原因は別にあった ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■―エロージョン・コロージョンの権威者が語る―  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 平成16年8月9日に発生した表題の事故の原因について、マスコミは“水流の 乱れによって配管が削り取られて・・・”とエロージョン(物理的力による 材料表面の変形や剥離)が関与しているような報道をしている。しかし伝え られた運転条件や配管の状況下では、どんな種類のエロージョンも起きる可 能性は見当らない。 当該の管壁に生じた著しい減肉の原因は、流速差および温度差によって生じ たマクロセル腐食と考えられる。 ■対策方法は!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 取り敢えず対策についてのみ記載しておきます。もし流れによって管壁が削 られたことが減肉の原因であれば、対策は流速を下げるか、炭素鋼より硬い 材料を採用するしかない。 しかしマクロセル腐食が原因であれば多様な対策が考えられる。先ず支持棒 とサポートを断熱し、配管の保温を完全にして、言わばコールドスポットが 生じるのを防ぐ。また臨界温度と考えられる150℃を避け、それより充分高い 温度か、または低い温度で運転する。管内では均一な流速で水が流れて淀み や渦が発生しないようにする。溶存酸素濃度を上げて不動態に頼るよりも、 酸素濃度を出来る限り下げて(7ppb以下)マクロカソードとなる不働態部を出 現させない(ただし、この際にはpHに充分配慮する)などである。部分的に高 級材(低合金鋼など)を採用しても、環境条件にムラが生じると、やはりマ クロセル腐食が生じるであろう。 ■エロージョン・コロージョンについての問題解決は!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 材料設計/腐食防食問題解決のコンサルティング会社、(株)材料・環境研 究所は、ボイラーのエロージョン・コロージョンについても問題解決の実績 を持っています。 “エロージョン・コロージョンの権威で、同社のアドバイザースタッフの広 島大学名誉教授の松村昌信博士は、美浜原発の配管破裂事故の原因は損傷と か磨耗ではなくて、ボイラー水の流速及び温度差によるマクロセル腐食であ ると前記見解を述べています。 損傷箇所の流速が遅く、また管内表面の温度の低い部分と重なり、上流側に ある健全な配管部分とマクロ電池を生成したために、流動腐食が加速したと 言うことです。 ▽ご意見ご感想はこちらまで! info@atengineer.com ────────────────────────────────── ◇振動試験で製品開発のリスク回避/振動のプロが製品の信頼性を向上 ◇受託の振動試験のことならIMVにお任せください! https://business.atengineer.com/imv/ ────────────────────────────────── |