新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、多くの企業でリモート会議システムの導入が進みました。一方で製造現場では、現場に赴くことを前提としていることが多く、中々リモート化が進んでいないというのが実情のようです。
■リモート化が進まない要因として、以下のように考えていませんか?
- 設備全体の見直しや、設備の変更、更新が必要
- 大規模な予算だけでなく、工事費用や日数も必要
- どの設備から実現するか、優先順位が決められない
それでは、既存の設備は更新せずに、費用をかけずに、
少しずつリモート化が実現できるとしたら、いかがでしょうか。
遠隔監視に対する課題とは?
遠隔監視を実現するためには、様々な方法があります。
すでにPLCやDCSによって製造設備が自動化されている場合、それらをネットワークに接続することで遠隔監視を実現することができるでしょう。
しかし、ネットワーク接続に対応していない設備の場合は、これらの上位システムの更新が必要です。
データのインテグレーションなど、
多額のコストがかかることが予想されます。
既存の設備はそのままにしたい
既存設備の更新で懸念されることはコストの問題だけではありません。
遠隔監視を導入する際に、設備を変えることによって長年安定稼働していた生産設備が同じように稼働するか、懸念されていないでしょうか。
システムに取り込んでいるセンサや計測機器の数が少なければ、このような懸念は小さいですが、数が多くなれば懸念も大きくなるでしょう。
リモート化が実現する方法があれば、導入してみたいですか?
■既設の設備はそのままでリモート化を実現するには?
既設の設備はそのままで、リモート化を実現する方法として、
- ①信号分配器とゲートウェイ、
アクセスポイントの追加によるリモート化 - ②ワイヤレスアダプタをフィールド機器に接続してリモート化
- ③IIoTエッジデバイスやクラウドに直接データを送付する
デバイスを使用してリモート化
などがあります。
今回は、①の方法について、ご紹介いたします。
既存設備のデータを分配して、遠隔監視を実現
センサや計測機器の信号を分配する機器と遠隔監視用機器を利用すれば、既存の設備を更新することなく遠隔監視を実現できます。
制御盤の改造は必要になりますが、PLCやDCSなどの設備を更新するよりも、改造の手間や負担は小さくなります。
例えば、Endress+HauserのインターフェースモジュールRN22に入力された4-20 mA HART信号を4-20 mA電流信号とHART信号に分配し、電流信号は、PLCやDCSに入力し、HART信号をデータマネージャMemograph M RSG45に入力します。
RSG45には、ウェブサーバー機能が搭載されているため、接続された計測器の測定値やセンサの状態を汎用のウェブブラウザで簡単に確認できます。
また、専用ソフトウェアを使用すると記録された測定値をcsvファイルなどのデータで入手できます。
現在の監視が目視確認とマニュアルで記録しているのであれば、監視ポイントへの移動、測定値の記録、帳簿への記載などの時間を短縮できます。
ゲートウェイとして使用可能なデータマネージャ
Memograph M RSG45
データマネージャ Memograph M RSG45は、接続された計測機器の測定結果やセンサの状態を監視、記録するために開発された記録計です。
IPアドレスを割り当てることで、以下の機能を利用可能です。
- しきい値を設定することで、監視値がしきい値を
超えるか下回った場合に、メールにて通知を送信 - ウェブサーバ機能により、汎用のウェブブラウザから
データマネージャにアクセスし、測定値を確認 - 専用ソフトウェアにより、データマネージャに
アクセスし、接続されたHART通信機器の設定変更 - 工業用LTEルーターなどのアクセスポイントを追加することで、LAN工事をせずにリモート監視を実現することも可能
データマネージャ導入のメリット
■エンジニアの場合
- 既存設備の制御盤内に追加し、IPアドレスを割り当てることで、遠隔監視を実現
- 弊社信号分配器と組み合わせることで、
計測機器やセンサの信号をDCS/PLCとデータマネージャ用に簡単に分配 - デバイスの副次変数の取り込みと記録が可能。問題発生時の解析に利用可能
- 不正アクセス防止機能付きのデータストレージ
- 電子署名による個人アクセス認証で高い安全性を保持
■オペレータやメンテナンス担当者の場合
- 汎用ブラウザから測定値を監視可能
- 監視値がしきい値に到達した場合に、メールで通知を受信
- HART通信機器の設定変更が現場に行かずにデータマネージャ経由で実施可能(リモートメンテナンスを実現)
- HART通信で機器の診断ステータスを取得、機器の不調時に即座に認識可能
- デバイスの副次変数の取り込みと記録が可能。問題発生時の解析に利用可能
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