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製品・技術

培養工程におけるラマン分光計

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製薬・バイオ向け製品  /  産業機械機器 IT・情報通信 先端技術

【バイオプロセス】培養工程におけるラマン分光計

1.ラマン分光計とは

光を物質に照射したときに生じる散乱光の内、1/108程の割合はその物質の成分や化学構造に応じて波長の変化(シフト)が起こります。
この波長がシフトした光をラマン散乱光と呼び、これを検出して解析することで物質の成分や化学構造を知ることが出来ます。

Endress+Hauser製
ラマン分光計Rxn2

この原理の元となるラマン効果はラマン博士により1928年に発見され、その後レーザーや高精度光学系の技術、並びに高性能コンピューターの開発に伴ってラボでの実用化が進み、2011年頃からPATツールとしての需要が高まっています。

理由として、ラマン分光のスペクトルデータには測定物の物性に関わる多くの情報が含まれており、ケモメトリクスを用いることで必要な情報へと変換することが出来るためです。

また、ラマン分光計は従来から用いられている赤外分光計(NR/NIR)と比較して、サンプルの前処理が不要であり、培養液中の成分を水分と区別して測定できることから、特にバイオプロセスにおけるインライン測定並びに制御への適用実績が世界的に広がっています。

2.培養工程へのラマン分光計の適用

PATツールとしてラマン分光計は培養工程の課題を解決します。

  • 製品品質、培養歩留まりの向上

    pH計やDO計と同様にラマン分光計はプローブを培養槽に直接設置するインライン計測であり、測定のためのサンプリング作業が不要のためコンタミを防ぐことが出来ます。

    また、プロセス状態をリアルタイムに把握し、プロセスを最適化することで製品品質並びに歩留まりが向上します。加えて、プロセスに異常が発生した場合にも速やかに検出することでバッチ不良を防ぐことができます。

  • スムーズなスケールアップ

    研究開発段階に取得したデータを用いて構築したモデルは、スケールアップ時に継続して使用することが出来ます。

    Endress+Hauserは各スケールに対応したラマン分光計をご用意しているため、研究開発から量産まで同原理の計測器を一貫してお使い頂くことが出来ます。
    そのため、作業を最省化し最短でスケールアップが可能です。

  • オペレーター作業効率向上

    pH計やDO計では測定していない培養工程の重要パラメータの評価には、培養中のサンプルを抜き取り別装置にて測定を行うオフライン測定が用いられています。その測定にはサンプリング作業、前処理、データ管理などオペレーターが多くの手間を要します。

    ラマン分光計で重要パラメータの測定をインライン測定に置き換えることで、オペレーターの作業効率が向上します。

3.スペクトルの多変量解析

スペクトル例

培養中の成分濃度変化を表す
スペクトル例

多変量解析ソフトウェアにて構築したモデルにより、ラマン分光計で取得したスペクトルを測定値へと変換します。構築したモデルの精度は解析方法に強く依存します。

これまでに世界中のEndress+Hauser製ラマン分光計ユーザー様がバイオプロセスモニタリング制御に関する論文や記事を発行しており、解析方法の既存事例を参照することで解析作業を最省化し、最短でラマン分光計をお使い頂けます。

下記資料リンクは既存事例の一例となります。

資料リンク

  1. Application note : Cross-scale in situ Raman monitoring of a cell culture
    (英語:PDF)
  2. Application note : Analysis of a mammalian cell culture
    (英語:PDF)
  3. The role of Raman spectroscopy in biopharmaceuticals from development to manufacturing(英語)

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