ヘンケル、熱伝導性材料で自動車メーカーのSDGsの達成をサポート
BERGQUIST Gap Filler TGF 3010 APS - 持続可能性実現の大きな節目となる熱伝導性材料
「ヘンケルのイノベーション、自動車メーカーのSDGs達成をサポート」
デュッセルドルフ 2021年3月15日発表– ヘンケル社オートモーティブコンポーネンツ事業部
電気自動車(EV)の世界的売上が急上昇するなか、電動化の未来にシフトしている自動車業界は、持続可能かつ高性能な製品を生産するため、今までには無いソリューションの必要性に直面しています。ヘンケルのオートモーティブコンポーネンツ事業部では、OEMや部品メーカーなどの専門的なパートナーとして、この変化を加速させようとしています。
先ごろヘンケルが導入した独自のサーマルギャップフィラーソリューションにより、ある大手自動車メーカーでは、より持続可能でコスト効果の高いEV用リチウムイオン電池パックの開発を完了しその製造が開始され、一般消費者向けに必要な数量の生産が実施できるようになりました。BERGQUIST Gap Filler TGF 3010 APSは、その優れた放熱性能によって電池の長寿命化のみならず、バリューチェーンのあらゆる段階でさまざまな側面に挑み、持続可能性の実現に貢献しています。ヘンケルは年次サステナビリティレポートにおいてもBERGQUIST Gap Filler TGF 3010 APSの開発と上市は非常に大きな節目であると発表しています。
IHS Markit社によれば、EVの販売数は2020年に250万台近くに達し、2021年にはさらに約70 %増加する見込みです1。各社の何年もの投資や研究開発が積み上げられた結果がこの成長率に表されています。こうした市場背景の中、特定の用途でリチウム電池の信頼性と性能を確保するために必要な放熱性能を有し、独自のサステナブルパッケージを使用するという特別なサーマルギャップフィラーソリューションを世界的大手自動車メーカーのためヘンケルが開発したところが今回の画期的な点でした。ヘンケルのBERGQUIST Gap Filler TGF 3010 APSは2液室温硬化型でEVバッテリーの量産ラインの組立用途での使用に適した液状ギャップフィラーです。完成車メーカーにおける組立ラインでの難易度の高い要求事項に対応したシリコーンフリー技術であり、バッテリーから冷却系統へ熱伝達を速やかに行う必要があるため3.0 W/mK という熱伝導性能を有しています。さらに、TGF 3010 APS は少しの力で引きはがすことができるため、電池パックの修理やリサイクルを容易に行うことができます。ヘンケルは工程関連の深いノウハウを活用し、生産のあらゆる段階で持続可能性と効率を高めた製品を生み出したのです。このギャップフィラーは量産用に大量に使用することを考え、ドラム缶で供給し輸送回数を減らすことにしました。これにより輸送時のCO2 排出量の削減になるとともに、容器取換え頻度を抑え生産ラインの休止回数を最小限にできます。またドラム缶自体をリサイクル型の仕様にしたことで再利用ができ、廃棄量の削減による効率化が実現しました。
2020 年に導入されたこのヘンケルのイノベーションはその他の顧客でも採用が進んでおり、
ある大企業の1 社では、今後数年で1,000 万台の電気自動車を生産するという果敢な目標を
設定しています。
大手メーカーと足並みを揃えて
大手自動車メーカーが必要としたのは、性能、信頼性、オートメーション速度および持続可
能性の緻密な組み合わせでした。そのすべてを、一般消費者市場向けの自動車製造に必要な
厳しいコスト制限のなかで達成することが求められたのです。電池パック当たり最大5 リッ
トルのギャップフィラーが必要とされたため、ヘンケルは卓越した製品を納入するだけでな
く大量の需要に応えなければなりませんでした。新型EV を手頃な価格に抑えるため、メー
カーの要求は高速で操業できるバッテリー組立ラインです。これには、車両当たり38 秒と
いう短時間でギャップフィラーを塗布する必要があり同時に、ロボットが組立時に部品を回
転させたときにギャップフィラーが流れ出さないような形状安定性のほか、バッテリーその
ものを傷めない柔い圧縮性も要求されます。メーカーからはこれらの複雑な要求事項に加え、
高い環境基準を満たすため、シリコーンを含まない材料が指定されました。この結果、ヘン
ケルの材料開発チームは変性シラン系ポリマーを利用することにしました。変性シラン系ポ
リマーをギャップフィラー市場で採用したのは業界初となります。
「新しい製造工程で新しい自動車を生産するためにお客様とともに独自の製品を生み出すこ
とは大変なチャレンジであり、本当にまれなチャンスでした。サステナビリティのリーダー
を目指す企業として、お客様の意欲的な環境目標やSDGs を達成するお手伝いができるのは
誇らしいことです。e-モビリティの未来にシフトする当社としては、パートナーと協力して
EV バッテリーの効率やコスト効果を高める仕事は本当にエキサイティングです」と、
Henkel Automotive Components のe-モビリティグローバル市場戦略部長のStephan Höfer は述べました。
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ヘンケルについて
ヘンケルはバランスのよい、多角的なポートフォリオを備え、産業および一般消費者向け事業をグローバルに展開しています。優れたブランドとイノベーション、テクノロジーを誇るヘンケルは、アドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)、ビューティーケア、ランドリー&ホームケアの3分野において、グローバルリーダーとしての地位を維持しています。1876年に創立し、140年以上に及ぶ成功の歴史があるヘンケルは、ドイツのデュッセルドルフに本社を置き、世界に約53,000人の社員を擁しています。サステナビリティの分野をリードする存在として評価されるヘンケルは、多くの国際的指標やランキングでトップの地位を維持しています。2020年の売上高は190億ユーロを超え、営業利益はおよそ26億ユーロでした。ヘンケルの優先株はドイツ株式指数DAXのリストに入っております。 さらなる情報はこちらwww.henkel.com をご覧ください。
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※本プレスリリースは、2021年3月15日にドイツ・ヘンケル本社が発表したプレスリリースの日本語訳版です。本プレスリリースは英語が原本であり、その内容・解釈については英文プレスリリースが優先します。