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AI等を活用した避航操船研究

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船舶関係新技術 メディア  / 2018年07月27日 /  造船・重機 IT・情報通信 先端技術

―神戸大との共同研究が国交省の「交通運輸技術開発推進制度」に採択―

当社および株式会社日本海洋科学(JMS)が国立大学法人神戸大学と共同で研究する「人工知能をコア技術とする内航船の操船支援システム開発」が、国土交通省の「平成 30 年度交通運輸技術開発推進制度」(注1)に採択されました。
日本郵船グループは自動運航船につながる技術として避航操船(他船と衝突を避けるための操船)に関して2つのアプローチで研究を行っており、この度採択された研究はそのうちの一つです。

1. 背景

近年、外航海運では船舶の大型化が進むとともに、運航隻数は増加傾向にあります。特にマラッカ・シンガポール海峡をはじめとする海上交通の要所とよばれる海域は、多くの船舶が行き交い衝突事故リスクが高まっています。乗組員により高い技術力と経験が要求される一方で、レーダーや電子海図などの乗組員の状況認識を支援する航海計器に加え、乗組員の意思決定を支援する避航操船システムの開発が課題となっています。
外航船は寄港地が世界中にまたがり、航海日数も長いなど技術試験実施に対する制約が大きいため、まずは内航船を対象として当研究を行っています。

2. 避航操船に関する2つのアプローチ

①安全性と経済性を両立する避航操船用の人工知能(AI) 開発

「人工知能をコア技術とする内航船の操船支援システム開発」の研究では、国内の輻輳(ふくそう、注2)海域を対象として、人工知能により船舶の避航操船を行うシステムの開発を目的としています。
AIの一手法である深層強化学習(試行を繰り返すことで自律プログラムが最適な行動選択を学習する機械学習手法の一つ)を応用し、膨大な数の航海シミュレーションを通して、徐々に最適な避航行動を学習し、様々な状況下で安全性と経済性に優れた避航操船行動を選択できるプログラムを開発します。そして、JMSの操船シミュレーターと連結し、プログラムの操船能力の定量的評価や熟練操船者による評価を実施します。2021年には実船の操船システムと連結し、実海域での実証試験を予定しています。

②熟練操船者の経験を幾何学的なモデルで再現する避航操船プログラムの開発

操船経験が豊富な船長・航海士の経験値や感覚値をJMSの交通流シミュレーション用プログラムに組み込むことで、プログラムを実船の運航支援用に改良し、自律航行の技術として確立させることを目的としています。
経験値や感覚値をデータ化して危険度を評価する幾何学的な数式モデルに組み込み、自船付近を航行している他船との衝突リスクを常に計算し続け、安全性や経済性も加味して最適な針路・スピードを自動で判断するプログラムを開発します。その基礎となるプログラムの開発は既に完了し、現在はJMSの操船シミュレーターと連携した試験を実施中です。操船能力の定量的評価や熟練操船者による評価とプログラムの調整を実施し、2019年半ば以降に実船を用いた実海域での実証実験を予定しています。

日本郵船は今年3月に策定した新中期経営計画“Staying Ahead 2022 with Digitalization and
Green” で持続的な成長を遂げるための戦略を示しました。日本郵船グループはこれまで培ってきた経験と蓄積したデータをさまざまなパートナーと協働することで、デジタライゼーションを加速させ、新たな価値創造に取り組みます。

 

(注1)交通運輸技術開発推進制度
国土交通省が民間を含めた研究実施者から広く研究課題を募ることにより、安全安心で快適な交通社会の実現、環境負荷低減といった交通運輸分野の課題解決に向けた優れた技術開発シーズの発掘を目的とした競争的資金制度のこと。

(注2)多くの船舶が集中し非常に混雑する状態。

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