イベント名 | GXが目指すプラスチックリサイクルの真の姿 ~先進的モデルとしてのポリ乳酸を例に~ |
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開催期間 |
2023年12月12日(火)
10:30~16:30 【アーカイブの視聴期間】 視聴期間:終了翌営業日から7日間[12/13~12/19]を予定 ※アーカイブは原則として編集は行いません ※視聴準備が整い次第、担当から視聴開始のメールご連絡をいたします。 (開催終了後にマイページでご案内するZoomの録画視聴用リンクからご視聴いただきます) ※会社・自宅にいながら受講可能です※ |
会場名 | 【ZoomによるLive配信セミナー】アーカイブ(見逃し)配信付き |
会場の住所 | オンライン |
お申し込み期限日 | 2023年12月12日(火)10時 |
お申し込み受付人数 | 30 名様 |
お申し込み |
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GXが目指すプラスチックリサイクルの真の姿
~先進的モデルとしてのポリ乳酸を例に~
石油系プラを焼却するサーマルリサイクルに、石油系PETボトルのマテリアルリサイクルなど、これらは真のリサイクル、真の解決策と言えるのだろうか?
プラスチックの資源循環戦略に向けた対応が迫られる中、我々は、真のリサイクルシステムとは何かを理解できているだろうか?
本セミナーでは、真のリサイクルシステムである炭素循環について解説。
マテリアルやケミカルリサイクルはもとより、好気性下の堆肥化、そして嫌気性下ではバイオガス化に適用可能なバイオリサイクルについて、真のリサイクルの先進的モデルとなるポリ乳酸を例に提言・詳説します。
・生分解性バイオマスプラ“ポリ乳酸”の統合的なリサイクルシステム
・ポリ乳酸の分解(開始・速度)制御及び高性能化材料設計技術とその応用展開
【Live配信受講者 限定特典のご案内】
当日ご参加いただいたLive(Zoom)配信受講者限定で、特典(無料)として
「アーカイブ配信」の閲覧権が付与されます。
オンライン講習特有の回線トラブルや聞き逃し、振り返り学習にぜひ活用ください。 |
講師 |
望月 政嗣 氏 (元京都工芸繊維大学特任教授、工学博士、高分子学会フェロー)
【専門】高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、
高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ㈱入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ㈱定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞。
[著書]
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで―」(CMCリサーチ)「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)、「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)、「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数。
セミナー趣旨 |
環境省は2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、経済社会全体を変革するべくGX(Green Transformation)への取り組みを進めている。その一環としてのプラスチックの資源循環戦略に関して、これまでの枯渇性化石資源を原料とする石油系プラに係る3R(リデュース、リユース、リサイクル)は真の解決策とはなり得ない中で、新たにRenewable(再生可能)なバイオマスプラに注目している。
本講では、真に持続可能な資源循環型社会の構築を目指す上で、バイオマスプラの中でも自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環にリンクした生分解性バイオマスプラとして近年脚光を浴びているポリ乳酸を先進的モデルとして、マテリアルやケミカルリサイクルはもとより、これまでのリサイクル論には欠落しているバイオリサイクルについて紹介する。使用後は有機性廃棄物(生ごみ)と共に好気性下で堆肥化する取り組みに加え、最近では嫌気性下の乾式メタン発酵によるバイオマス発電の大型設備が建設される中で、その適応可能性が期待されている。
セミナー講演内容 |
1.地球環境・資源・廃棄物問題とプラスチック
1.1 石油系非生分解性プラが内包する基本的問題点とその抜本的解決策
1) 原料の石油は50年後には枯渇→原料は再生可能なバイオマス資源への転換
2) 焼却による温暖化ガスの増大→カーボンニュートラルなバイオマス資源への転換
3) 海洋プラ汚染などの廃棄物問題→非生分解性から生分解性プラへの転換
<結論>自然界の真のリサイクルシステムである物質循環(炭素循環)にリンクした生分解性バイオマスプラへの転換
1.2 日本におけるプラスチック廃棄物処理方法の現状と課題
*石油系プラの焼却をサーマルリサイクル(和製英語)と呼称し正当化するのは世界的に日本だけ、真のリサイクルではない!
*石油系PETボトルをマテリアルリサイクルしても問題の先送りに過ぎず、真の解決策とはなり得ない!
1.3 世界の法規制と業界動向
2.自然界が有する真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)
2.1 有機化合物を構成する基本元素…炭素原子(C)
2.2 地球上に生命が誕生して38億年、地球は何故廃棄物で埋もれなかったのか?
2.3 有機化合物の物質循環としての炭素循環
2.4 自然界の炭素循環にリンクした生分解性バイオマスプラ
2.5 バイオプラスチックに関する学術・技術用語の正しい理解
1) バイオプラスチックとバイオマスプラスチックの違いとは?
2) 日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度(2021年9月改定)
①生分解性プラ ②生分解性バイオマスプラ ③バイオマスプラ
3) 生分解性とは…微生物が資化・代謝して無機化(CO2ガス発生)すること
3.プラスチックリサイクルの先進的モデルとしてのポリ乳酸
3.1 自然から生まれ自然に還るポリ乳酸
1) 安全性、食品衛生性…食品衛生法告示370号
2) 抗菌・防カビ性…繊維の抗菌・防臭加工新基準、プラスチックのカビ抵抗性試験
3) 環境低負荷特性…ライフサイクルアセスメント(LCA)による客観的・定量的評価
4) 生分解性…ISO 14855/JIS K6395、ISO 15985/JIS K6398
3.2 マテリアルリサイクル…配膳トレーからプランターへ(2005年 愛地球博)
3.3 ケミカルリサイクル…熱分解/選択的解重合による原料ラクチドへの還元
3.4 バイオリサイクル
1) グローバルには自然界のリサイクルシステムの物質循環(炭素循環)にリンク
2) ローカルには製品使用後に有機性廃棄物(生ごみ)と共にバイオリサイクル
①堆肥化(好気性下)→肥料、土壌改良剤
②バイオガス化(嫌気性下、高温乾式メタン発酵)→生ごみ発電、ボイラー
4.ポリ乳酸の生分解機構、分解(開始・速度)制御技術と製品寿命(耐久性)
4.1 生分解性プラスチックの生分解機構
1) 酵素分解型…微生物産生ポリエステル
2) 非酵素分解(加水分解)型…ポリ乳酸
4.2 ポリ乳酸の分解開始制御機構
1) 2段階2様式の特異的な生分解機構…生分解性と耐久性の両立可
・第一ステップ…化学的加水分解による分子量低下(強度低下)と形状崩壊
・第二ステップ…生成した水溶性乳酸を微生物が資化・代謝(生分解)
2) Tg:58℃≒堆肥化温度…分解開始トリガー/自動スイッチオン機構内包
4.3 ポリ乳酸の分解速度制御技術と製品寿命…短期使用から長期耐久性構造材料まで
1) タイプS(残留ラクチド:多)…分解速度速い/製品寿命短い
2) タイプM(残留ラクチド:少)…中程度
3) タイプL(残留ラクチド:少、COOH末端基封鎖)…分解速度遅い/製品寿命長い
5.ポリ乳酸の高性能化材料技術と製品・市場開発動向
5.1 第二世代ポリ乳酸…高L組成PLA (high %L PLA), %D<0.5%,
5.2 ポリ乳酸の高性能化材料設計技術
1) 衝撃性…耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT又はPBSブレンド体
2) 耐熱性(透明耐熱性)…分散型核剤(溶解型核剤)、結晶化促進剤
3) 寸法安定性
5.3 ポリ乳酸レジンメーカー
1) ニートレジン…ネイチャーワークス、トタル・コービオン、豊原集団他
2) コンパウンドレジン(高性能・高機能化PLAレジン)…テラマック®/ユニチカ
5.4 ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発最前線
1) 成形加工分野
繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、
真空成形、射出成形、発泡成形(押出発泡、ビーズ発泡)、ブロー成形
2) ポリ乳酸製品・市場開発動向…多数の製品写真を紹介
① 自然環境下で使用する農林・園芸・土木・水産資材
② 短期間(~1年)使用の使い捨て食品容器・包装材、食器具、生活・衛生資材
③ 中期間(3~5年)使用の衣料、生活雑貨、産業資材
④ 長期間(5~10年以上)使用の電気・電子機器筐体・部品、リターナブル食器、自動車内装部品、産業資材
□質疑応答□
※詳細・お申込みは上記
「お申し込みはこちらから」(遷移先WEBサイト)よりご確認ください。
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