自動立体倉庫のトラブル修復作業中にはさまれる
このページは厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」の労働災害事例をピックアップして、同じような災害が起こらないよう対応する安全関連製品を紹介しています。
| 業種 | 製鉄・製鋼・圧延業 |
|---|---|
| 事業場規模 | 1000人以上 |
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | クレーン |
| 災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ |
| 被害者数 |
死亡者数:1人 休業者数:0人 / 不休者数:0人 / 行方不明者数:0人 |
| 発生要因 |
(物) 防護・安全装置がない (人) 場面行動 (管理) 不意の危険に対する措置の不履行 |
発生状況
この災害は、自動立体倉庫において発生したものである。
この会社は、製鉄所の構内に常駐し製鉄・圧延業務、動力機械の保守点検などの業務を行っており、作業者Aの業務は、「自動整理ヤード」を構成するチェーンコンベヤ、入・出庫転換機、スタッカークレーン等の点検補修作業、監視作業などである。
災害発生当日、Aは同僚Bと2名で午後7時から翌朝までの夜間勤務に就いた。
午後8時過ぎ、Aは監視室で自動立体倉庫の一つの系列に異常の表示がでたのをみて現場に行き、Bにその系列の入・出庫転換機などを自動から手動にするように無線で指示してから修理をはじめた。Aは午後9時頃に補修が終了したので、自動にするように監視室のBに指示したが、Bはまもなく同じ系列に異常の表示がでたのをみて、Aに連絡したところ、「この異常はスタッカークレーンを制御するセンサーが原因なので、スタッカークレーンは手動に切り替え、出庫転換機は鋼材を払い出すので手動に切り替えなくて良い」との指示があり、Bは指示通りに操作した。
その数分後、Bは出庫転換機が稼働していることに気付き、Aに無線で連絡を取ろうとしたが応答がないため現場に行ってみたところ、Aは鉄骨に掛けたはしごの上で出庫転換機の爪状のフックとセンサーが取り付けられている鉄骨梁との間にはさまれていた。直ちにAを救出し病院に運んだが、胸腹部圧迫のためまもなく死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 自動立体倉庫が自動運転となっているときに点検を行ったこと
監視室にいた者との連絡状況および自動立体倉庫の稼働記録から推定すると、被災者は一つの系列の出庫転換機などの点検・補修結果を再確認しようとしていたときに、被災者の指示で手動から自動運転に切り替わっていた出庫転換機が走行してきて爪状のフックが激突し、このフックと鉄骨梁との間にはさまれた。
2 点検補修作業時のマニュアルが不備であったこと
この会社では出庫転換機のトラブル修復に関する安全作業標準は策定していたが、出庫転換機の手動・自動の切替手順やはしご・脚立の使用を記しているだけで、監視室との連絡を出庫転換機の動作範囲外など安全な箇所で行うことなどについては明記されていなかった。
3 作業の安全確認方法が適切でなかったこと
出庫転換機などの稼働状況、手動・自動の区分などは監視室では表示されるが、点検作業に従事している箇所で確認できるシステムとはなっていないため、安全確認の唯一の手法が無線による連絡となっていた。
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。
1 危険区域への立ち入りを厳禁すること
立体自動倉庫の所有者と使用する者が異なるときには、トラブルの場合の整備主体について十分に協議する。また、危険区域に立ち入ることは厳禁し、柵、囲いなどで区画し、その旨を見やすいところに明確に表示する。
2 作業マニュアルの見直しを行うこと
トラブルが発生し、立ち入り禁止区域内に入って作業を行うことに関して安全の急所を盛り込んだ作業マニュアルを定め、関係作業者に徹底するとともに、「ヒヤリ・ハット」事例などを活用して随時に必要な見直しを行う
3 作業箇所と監視室との連絡方法を明確に定めること
点検補修作業を複数の者で、作業箇所と監視室とに分かれて連絡を取りながら実施する場合には、まず作業の主導権をいずれが持つかを明確にするとともに、連絡の方法、安全の確認の方法を作業開始前に必ず確認する。
なお、無線による連絡だけでは不十分な場合もあるので、監視カメラの採用などについても検討する。
4 安全教育を徹底すること
トラブルに基づく点検補修の作業は多くの場合、短時間で行うことを要求されるので、その作業に従事する者に対してシステム全般および作業の安全に関する教育訓練を行う。
このような労働災害に 対応する製品
関連するリンク
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