防じんマスク・防毒マスク等のフィットテスト義務化、守れているでしょうか
何が変わったのか?
2023年4月1日、厚生労働省は防じんマスクや防毒マスク、電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)の選択と使用に関する新しい指針を示しました。これに伴い、2005年の「防じんマスク通達」と「防毒マスク通達」は廃止されました。背景には、2022年に施行された労働安全衛生規則の改正があり、新たな化学物質管理制度が導入されたことが挙げられます。
新しい指針では、化学物質リスクアセスメントに基づき、代替物の使用や局所排気装置の設置といった工学的対策を優先し、それでも濃度基準値を超える場合に呼吸用保護具を使用することが明確化されました。
必要なアクション
事業者は、リスクアセスメントの結果に基づき、保護具着用管理責任者を選任し、適正な選択・使用・保守管理を徹底する必要があります。さらに、労働者には取扱説明書やガイドブックをもとに、装着方法や密着性確認(フィットテスト、シールチェック)を定期的に教育・訓練しなければなりません。金属アーク溶接等作業を行う作業場所においては、「1年以内ごとに1回、定期に、フィットテストを実施しなければならないこと。」と記載されています。
呼吸用保護具の選択にあたっては、作業環境の有害物質の種類や濃度に応じ、指定防護係数を満たす製品を使用することが求められます。また、酸素欠乏のおそれがある場所では、循環式呼吸器や空気呼吸器といった給気式の使用が義務付けられました。
さらに、防じんマスクや防毒マスクに加え、PAPRの使用時には「防爆性能」の要件にも留意しなければなりません。粉じんやオイルミスト環境、有毒ガスが混在する場合など、多様なシナリオごとに適切な選択基準が示されています。
関連リンク、参考文献
- この記事は、厚生労働省の公開資料を基に制作しています。
- 防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について(厚生労働省)
- 金属アーク溶接等作業について健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)
