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接触災害防止

プレスなどの機械巻き込まれによる事故を防止するために

「出稿者アイコン」 製造業のポータルサイト @engineer編集部 2025.11.04・公開

プレス機械による労働災害は、依然として高い水準で発生しており、その多くが指の切断など回復の難しい後遺障害を伴うものとなっています。こうした重大な事故を防ぐためには、事業者が安全対策を確実に講じ、作業員一人ひとりが安全意識を高く持つことが重要です。

本記事では、プレス機械などによる挟まれ・巻き込まれ災害を防止するための安全対策について解説します。

プレス機械作業などによる機械巻き込まれ事故の危険

プレス機械による災害は、なぜなくならないのでしょうか。材料を手に持って加工するプレスブレーキでは、一瞬の気の緩みが挟まれ事故につながる危険があります。また、かつて使用されていた手払い式安全装置では、手を払い出す動作が間に合わず災害に至るケースがありました。機械の動く部分(ストローク端)と作業者や壁との間に挟まれる災害も、工作機械に限らず様々な機械で発生しており、作業環境全体に危険が潜んでいると言えます。

事故を防ぐための重要な安全対策

労働者の安全を守るため、労働安全衛生規則では以下の対策が定められています。これらのルールを正しく理解し、現場で徹底することが求められます。

1. プレスブレーキには「レーザー式安全装置」を活用

材料を手に持って加工するプレスブレーキには、「プレスブレーキ用レーザー式安全装置」の設置が有効です。この装置は、金型の危険な領域にレーザー光線を照射し、作業者の手などが検知されると即座に機械を停止させる仕組みです。従来の安全装置が使いにくかった作業でも、安全性を確保することができ、欧州規格 (EN 規格)に基づきヨーロッパなどでも使用されています。

レーザー式安全装置の有無による動作の違い
出典:厚生労働省「機械による労働災害防止対策を強化するため労働安全衛生規則を改正しました」

2. 「手払い式安全装置」は原則使用禁止

かつて使用されていた手払い式安全装置は、手を払いきれずに挟まれるリスクがあることから、原則として使用が禁止されています。

例外的に、操作方法が「両手操作式」であるなど、一定の条件を満たすプレス機械に限り経過措置として使用が認められていますが、これはあくまで限定的な措置です。これから安全対策を講じる場合は、より安全性の高い光線式安全装置や両手操作式安全装置などを選択し、事故のリスクを取り除くことが重要です。

手払い式安全装置の使用条件
出典:厚生労働省「機械による労働災害防止対策を強化するため労働安全衛生規則を改正しました」

3. 機械の「ストローク端」による挟まれ防止を徹底

プレス機械だけでなく、テーブルやラムなどが動く機械全般で、その可動範囲の端(ストローク端)と作業者が挟まれる危険があります。この対策は、タレットパンチプレスやNCルーターなど、ストローク端にリスクを有するすべての機械が対象となります。

事業者は、機械の周囲に覆いや柵を設けたり、光線式安全装置を設置して人の立ち入りを検知した際に機械を停止させたりするなど、挟まれ災害を防止するための措置を必ず講じなければなりません。

ストローク端による挟まれ災害のイラスト
出典:厚生労働省「機械による労働災害防止対策を強化するため労働安全衛生規則を改正しました」

プレス機械による災害は、基本的な安全ルールを守ることで防ぐことができます。自社の機械が適切に安全対策されているか、作業手順に危険がないか、今一度点検し、安全な職場環境の実現に努めましょう。

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  • この記事は、厚生労働省「機械による労働災害防止対策を強化するため労働安全衛生規則を改正しました(プレス機械対策を中心に)」を基に制作しています。
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