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熱中症対策

熱中症の「予兆」を可視化するバイタルデータの活用と、現場アラートの運用設計

「出稿者アイコン」 製造業のポータルサイト @engineer編集部 2026.01.09・公開
バイタルデータによるモニタリングイメージ

厚生労働省が定める「職場における熱中症予防基本対策要綱」では、WBGT値(暑さ指数)の活用と、労働者個人の健康管理が、熱中症対策の柱として挙げられています。

熱中症対策

データで見える「危険な職場」:WBGT活用レベル診断チェックシート(現状把握)

WBGT値は作業場所の環境の危険度を示しますが、実際の熱中症リスクは作業者の年齢、当日の体調、既往歴、作業強度によって個人差が生じます。そのため、環境モニタリングだけでは捉えきれない「個人のリスク」を把握する手法として、ウェアラブルデバイスを用いたバイタルデータの活用が進んでいます。

このページでは、熱中症の予兆となり得るバイタルサインの指標と、現場におけるアラート運用と設計のポイントについて解説します。

「予兆」を捉えるためのモニタリング指標

熱中症に至る前の段階(「熱ストレス」が高い状態)を検知するため、主に以下の指標が用いられています。

  • 心拍数(および心拍変動)
    深部体温の上昇と心拍数には相関関係があるとされています。厚生労働省の資料においても、作業中の心拍数管理は身体的負荷を把握する有効な手段として言及されています。安静時心拍数からの乖離や、一定時間以上の高心拍継続を検知対象とします。

  • 皮膚温度・深部体温推定
    体表の温度変化を計測します。外気温や発汗による気化熱の影響を受けるため、より正確な測定を行いたい場合には、深部体温の上昇リスクを推定するデバイスの選定が推奨されます。

現場におけるアラート発報基準の設計

デバイスを導入する際、適切なアラート設定を行わなければ、頻繁な通知による「アラート慣れ」や、逆にリスクの見落としが発生します。運用は以下を参考に、利用する製品に合わせて設定を行いましょう。

参考として、「職場における熱中症予防基本対策要綱」では、健康管理について、次のような具体例が示されています。

心機能が正常な労働者については1分間の心拍数が数分間継続して 180 から年 齢を引いた値を超える場合、作業強度のピークの1分後の心拍数が 120 を超える 場合、休憩中等の体温が作業開始前の体温に戻らない場合、作業開始前より 1.5 %を超えて体重が減少している場合、急激で激しい疲労感、悪心、めまい、意識 喪失等の症状が発現した場合等は、熱へのばく露を止めることが必要とされてい る兆候であること。

1. 相対値による閾値設定

一律に「心拍数120以上」とアラート発生の閾値を設定するのではなく、180から年齢を引いた値など、各個人に合わせて設定値を変更します。個人の年齢や、状況に合わせて閾値を決めることで、特性を考慮した最適な設定が可能です。

2. 「継続時間」の考慮

瞬間的な心拍上昇(荷物の運搬時など)ですぐにアラートを出すのではなく、「閾値を越えた状態が数分以上継続した場合」に通知を行う設定とすることで、不要な作業中断を防ぎつつ、身体的負荷が蓄積している状態を検知します。

アラート発生時の対応を明確化

作業者に高負荷がかかっているときに、アラートが鳴るだけでは効果を発揮しません。アラートが発生した際の直ちに涼しい部屋で休むなどの対処方法・行動方針を事前に策定し、現場に周知する必要があります。

  • 本人への通知時:直ちに作業を中断し、日陰等の涼しい場所へ移動する。水分・塩分を摂取し、心拍数が落ち着くまで休憩を取る。

  • 管理者への通知時:管理者は対象者の位置を確認し、応答がない場合は救護に向かう。また、特定の作業エリアでアラートが多発する場合は、WBGT値の再確認や、作業工程自体の見直し(送風機の設置や作業時間の短縮)を検討する材料とします。

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まとめ

バイタルデータの活用で、経験や勘に頼らない客観的な体調管理が可能になります。ただし、データはあくまで判断材料の一つです。最終的には「顔色が悪い」「反応が遅い」といった現場作業員同士の声かけと併用し、安全管理を行う体制構築が求められます。

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  • このページは、厚生労働省「職場における熱中症予防基本対策要綱」を基に制作しています。
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