令和7年の暑さ指数(WBGT)と熱中症救急搬送状況から考える令和8年の対策
毎年、夏季の現場作業において熱中症対策は計画的な対応が求められます。環境省より発表されている「令和7年(2025年)の全国の暑さ指数(WBGT)の観測状況及び熱中症による救急搬送人員と暑さ指数(WBGT)の関係について」の報告書から、昨年の傾向を振り返り、今年(令和8年)の現場における安全管理に活かせるポイントを解説します。
記録的な高温と救急搬送人員の増加
令和7年(2025年)の夏は、気象庁の統計開始(1946年)以降、北日本、東日本、西日本において第1位の高温を記録しました。この厳しい暑さを背景に、5月1日から9月30日までの5か月間で、全国の熱中症による救急搬送人員は合計100,510人に上りました。
前年の97,578人と比較しても増加しており、現場においては作業環境の暑さ指数(WBGT)を正確に把握し、休憩時間の確保や水分補給などの対策をより一層計画的に進める必要があります。
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熱中症警戒アラートの発表が過去最多に
令和7年の運用期間中、熱中症特別警戒アラートの発表は幸いにもありませんでした。しかし、「熱中症警戒アラート」の発表回数は延べ1,749回となり、過去最高であった令和6年(2024年)の1,722回を上回る結果となりました。
- 最も早い発表:5月21日(八重山地方)
- 最も遅い発表:10月10日(沖縄本島地方、八重山地方)
- 発表のピーク:8月5日には全国58地域中、45地域で発表され過去最高を記録
6月中旬から9月上旬にかけては、継続して全国のどこかの地域でアラートが発表される状況が続きました。これは、真夏だけでなく、暑くなり始めの時期から秋口に至るまで、長期間にわたる警戒が求められていることが分かります。
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今年(令和8年度)の現場対策に活かすポイント
昨年のデータを踏まえ、今年度の現場作業においては以下のポイントに留意した対策をおすすめします。
1. 対策期間の前倒しと延長
アラートの発表が5月下旬から10月上旬まで及んでいることから、従来の「7月・8月を中心とした対策」では不十分である可能性が高いです。5月の暑熱順化(体を暑さに慣らすこと)の促進から始まり、10月まで気を抜かない長期間の運用ルールを事前に策定しておきましょう。
2. WBGT(暑さ指数)の実測と活用
昨年の夏は、過去5年間の平均値よりWBGTが4以上高くなる日も確認されています。気象庁や環境省の予測データを活用するとともに、実際の作業現場に応じた局所的なWBGT計の設置・実測を行い、数値に基づいた客観的な休憩基準を設けることが効果的です。
今年より、高年齢労働者の労災対策が努力義務化されたことを踏まえ、企業は熱中症対策に限らず、職場環境整備を進めていく必要があります。
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関連するリンク
- このページは、環境省の公開資料を基に制作しています。
- 環境省:令和7年4月23日~10月22日までの全国の暑さ指数(WBGT)の観測状況及び熱中症による救急搬送人員と暑さ指数(WBGT)の関係についてhttps://www.wbgt.env.go.jp/pdf/report/R07_heatillness_report_24.pdf
