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【故障解析】部品・材料等の不具合・トラブル対策

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環境試験  /  試験・分析・測定

故障解析

電気部品・機械部品等の内部構造の検査で、部品・材料等の不具合・トラブル対策で、以下のような調査を行います。

破損原因の調査

製品や部品において破断やクラックは発生頻度の高いトラブルになります。破面を光学顕微鏡や走査電子顕微鏡を用いて観察することにより破壊原因の特定や絞り込みが可能です。

※ビーチマーク(貝殻模様)は、マクロ的クラフトグラフィの様相として観察される模様のことで、半月状の間隔が1回ごとの繰返し荷重により伝播した亀裂の長さを示します。

六角穴付きボルトの疲労破面拡大する

六角穴付きボルトの
疲労破面

プラスチック成型品の破損でも金属製品同様に破面を観察することができます。
ABS樹脂製品にクラックが発生しており、このクラックを開いて露出した破断面が下記の写真になります。鏡のように模様の無い破面(ミラー状破面)はソルベントクラック(溶剤亀裂)の特徴になります。

破面やクラックの隙間に油や薬品類などの溶剤が残っているとフーリエ変換赤外分光分析(FT-IR)で成分分析することで原因物質を特定できる場合もあります。

ABS製部品で発生したクラック拡大する

ABS製部品で
発生したクラック

ABS製部品のクラックを露出させた破断面拡大する

ABS製部品のクラックを露出させた破断面

異物・付着物の分析

製品内への異物・付着物混入も製造業では切り離せないトラブルの一つになります。

異物・付着物を拡大観察することによりプラスチック片や繊維くずなどの有機物と思われる場合はフーリエ変換赤外分光分析(FT-IR)による成分分析、金属片や砂塵などの無機物と思われる場合は蛍光X線分析(XRF)や走査電子顕微鏡(SEM/EDS)を用いた元素分析を行っていきます。

金めっき上の微小異物 / FT-IRによりタンパク質(皮脂)と考えられる拡大する

金めっき上の微小異物

FT-IRによりタンパク質(皮脂)と考えられる

シミ・変色の原因調査

製品表面のシミや変色も見栄えが悪くなるためや、電子部品の不具合対応などとして相談件数の多いトラブルになります。

下記はX線光電子分光分析装置(XPS)を用いて金(Au)めっき表面にみられた薄いシミの原因調査を行った事例になります。正常部分とシミ部分との比較分析を行う事でシミ部分の成分がわかります。またシリコン(Si)の化学結合状態を分析したところ、有機シリコンであることがわかりました。

シミ・変色の原因調査1拡大する
シミ・変色の原因調査2拡大する

対象物

  • 機械部品
  • 電子部品
  • 金属材料
  • 樹脂材料
  • 複合材料 等

設備紹介

実体顕微鏡(マクロ撮影イメージングシステム)

型式

SteREO Discovery.V20
(カールツァイスマイクロイメージング)

仕様

観察倍率
:2.3×~225×
照明装置
:リング スポット 同軸落射

代表的な試験

  • 分析項目破面観察

分析項目破面観察

電動ズーム機構を備え、自動的にフォーカス面を動かして複数の画像を取得し、被写体全体にフォーカスの合った画像を合成する機能を備えております。
取得画像中にスケールバーを入れ込むことができます。比較的小型な機械部材等の外観観察や破損部材の破面観察による破損原因調査に用います。

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高分解能分析走査電子顕微鏡

型式

JSM-7800F Prime(日本電子株式会社)

性能

分解能
:0.7nm(15kV)、0.7nm(1kV)、
3.0nm(5kV、WD10mm、5nA)
検出器
:上方検出器(UED)、 上方二次電子検出器(USD)、
下方検出器(LED)、反射電子検出器(BED)
試料交換サイズ
:100mm径(最大)
元素分析装置
:EDS(サーモフィッシャーサイエンティフィック NORAN System 7)
その他
:STEM観察、低真空観察、GB観察

代表的な試験・分析項目

  • 破面観察
  • 異物分析

用途・特徴

様々な試料に対して低倍率から高倍率の観察が可能です。多数の検出器を備え、組成像、凹凸像など様々な画像を取得できます。
元素分析装置(EDS)を搭載しており、試料の元素同定や分布も知ることができます。低真空モードにより絶縁材料等を無蒸着で観察できます。STEM検出器を用いた透過像の観察が可能です。GBモードにより極低加速電圧で微細構造観察ができます。

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フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)

型式

FT/IR-6300FV, IRT-7000(日本分光株式会社)

性能

波数範囲
:7,800~150cm-1
波数分解能(最高)
:0.07cm-1
オプションユニット
顕微赤外、顕微ATR、顕微RAS、拡散反射、一回反射ATR

代表的な試験・分析項目

  • 樹脂材料の構造解析

用途・特徴

試料の状態や形態により各種ユニットを使い分けることができ、特に顕微赤外ユニットを利用すると数十µm角の微小な物も測定することができます。

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X線光電子分光分析装置(XPS)

型式

Quantera SXM(アルバック・ファイ株式会社)

性能

X線源
:Al KaモノクロX線
X線ビーム径
:分析可能最小ビーム径:9µm
試料サイズ
:W70×D70×H18mm 以下
その他
:Arイオン銃、中和銃

代表的な試験・分析項目

  • 試料最表面の元素分析
  • 化学結合状態分析

用途・特徴

ビーム径9µm~200µmでの微小部分析が可能。

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試験事例紹介

  • 破損原因の調査
  • 異物・付着物の分析
  • シミ・変色の原因調査

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