製品・技術
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材料から最終研磨加工まで一貫対応可能な結晶総合メーカーとして、徹底したお客様志 向のもと、トータルソリューションを提供いたします。
私たちが目指すのは、「世界のどこにもない結晶総合メーカー」。永く信頼していただけるよう、お客様の課題や困難な状況にも、技術とアイデアと情熱をもって真摯に対応いたします。
結晶製法・育成
私たちは結晶を「製造する」とはあまり言わず、『育成する』と言います。英語でも『grow』を使います。何日もかけて少しずつ大きくなる結晶に愛情をこめるがゆえに、育成するという言葉を用いているのです。
その思いは変わることなく息づいており、一つ一つの結晶に愛情をこめて育成を続けています。TSMG(Top Seeded Melt Growth)法
大きく高品質な単結晶を成長させるために、信光社が独自に開発した結晶育成法です。
この方法で大口径のサファイアを育成することができます。非常に温度勾配が小さい環境での育成を可能とし、高品質な結晶を取得することができます。
TSMG法で育成した
サファイアインゴットベルヌーイ(火炎溶融)法
酸素と水素の混合気体を燃焼させた炎(酸水素炎:約2800℃)の中に原料粉末を通し、融けた原料を種結晶につもらせて結晶を成長させる方法です。
比較的短時間で、簡便に結晶を育成することができます。また、るつぼを用いないため、高純度な結晶が得られます。
ベルヌーイ法で育成した
サファイア結晶Cz(チョクラルスキ)法
るつぼ中で原料を融かし、その液面に種結晶を付けた後、この種結晶を回転させながら上方へ引き上げて結晶を成長させる方法です。
加熱方法には、主に高周波加熱が採用されています。大型で高品質な結晶育成に適しています。
Cz法で育成した
サファイア結晶信光社のサファイア加工技術
高硬度で耐久性に優れるサファイア素材の加工は、高度な技術と専門的なノウハウが求められます。信光社では、多様な加工技術を駆使し、お客様のニーズに応じた高精度かつ高品質なサファイア製品を提供しています。
以下に、当社が得意とする主な加工技術をご紹介します。切断加工
ワイヤーソーによる大きなサファイア原石の切断加工や、スクライバーによる微細なサファイア部品への切断加工が可能です。
- 大きな素材から微細製品への一貫加工
300mmの大きな素材から、0.1mm以下の微細製品を切り出す等、0.1mm単位の切断加工をすることができます。大きな素材から微細製品への一貫加工もお任せください。
研削加工
センタレス研削、円筒研削、内外周研削、平面研削、曲面研削等、高精度の研削加工が可能です。
- センタレス研削
棒材のφ0.5mmからセンタレス加工をすることが出来ます。
- 円筒研削
大きいものから小さいものまで円筒研削をすることができます。(~φ120mm×L120mm迄)
- 内外周研削
内径および外径の精密加工ができます。
- 平面研削
短時間で平面研削、ロータリー研削をする技術があります。
研磨加工
ラップ研磨やメカノケミカル鏡面研磨等、高精度な研磨加工が可能です。
- ラップ研磨
最大φ250mmまで対応可能です。
- 完全鏡面研磨
Ra≦1nmの完全鏡面仕上げが可能です。
平坦度=λ/10の高精度研磨も可能です。
その他加工技術
各種穴あけ加工や接合、各種コーティングが可能です。
- 穴あけ加工
ドリル加工などで、最小φ0.3mmでの穴加工が可能です。
- レーザー加工
レーザー光線を使用して、多穴スルーホール加工を行います。
- チューブ加工
大形状で肉厚のものから、細長く薄い肉厚のものまで、内外周研磨可能です。(内外径精度:10㎛、肉厚:0.3mm~、内径:φ2mm~φ120mm、長さ:応相談)
- コーティング
サファイアの表面反射を抑える無反射コート(ARコート)が可能です。
加工事例
円柱・角柱の研磨
板状
ロッド
肉厚チューブ
穴あけ
溝・ザグリ
プリズム
凹形状・凸形状
大径リング
大径窓
カタログダウンロード
- 総合カタログ[6ページ]
- 薄膜成長用酸化物基板[7ページ]
- 単結晶製品[1ページ]
- 大きな素材から微細製品への一貫加工
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サファイアは、光学特性、機械特性、熱特性、耐薬品性など優れた特長を持った材料です。近年の結晶育成技術の成熟化により、高純度かつ300mmを超える大きな結晶を安定して得られるようになってきたことで、従来対応が困難であった用途での活躍の場が増えてきており、他材質からの置き換え・改善も進んできています。
サファイアの特性について
物理的
特性化学組成 α-Al2O3 (Corundum) 格子定数 a=0.47588nm、c=1.2992nm
密度=3.987g/cm3 融点=2040℃機械的
性質曲げ強度 470MPa (c面 長軸が//a 軸の場合)
910MPa (a面 長軸が//c 軸の場合)硬度 モース :9 (※ダイヤモンド=10 石英=7)
ビッカース:1377(c面)、 1622(a面)光学的
特性透過特性 0.23~5.5μm(>50% 5mmt 光学グレード材)
0.15μm~(>50% 1mmt VUV グレード材)屈折率 no=1.7680 ne=1.7598 (at 577nm) 熱的
特性熱伝導性 115W/m・K (-120℃)
41W/m・K (0℃)
20W/m・K (220℃)
13W/m・K (500℃)化学的
特性耐食性 塩酸、硫酸、硝酸など、ほとんどの酸やアルカリに侵されず 電気的
特性耐プラズマ性 長時間UV光を照射しても劣化なし 電気的特性 電気絶縁性が高い、誘電率が安定、誘電損失が極めて低い サファイアの結晶系
サファイアの結晶系
酸化アルミニウムの単結晶で、高温安定型のコランダム構造をとるα-Al2O3を特にサファイアと呼んでおります。
自然界で結晶化したサファイアはその環境・不純物などによって結晶化する速度が速い方向と遅い方向の差が生じます。その結果、結晶構造を反映した晶癖 (habit) に囲まれることとになります。
X線技術が発達する前は、晶癖をもとに結晶構造を判断していたと言われています。
X線の回折現象を用いて方位・構造を特定することができるようになり、現在では結晶の方向、構造はミラー指数を用いることが多いです。
{11-20}、{0001}、{10-10}、{01-12}といった面方位の表現が一般的ですが、晶癖に由来するa面、c面、m面やr面といった呼び方も使われております。サファイアの熱的特性
サファイアは室温でステンレスと同程度の高い熱伝導性をもつ酸化物です。
光を透過する特性や耐熱性、耐腐食性の特長と併せて、特異な放熱素材として広く使用されています。特に低温での熱伝導率が非常に高いこともあり、極低温環境での放熱素材として優秀な材料です。
サファイアの機械的特性
サファイアはダイヤモンドの次に硬い鉱物として有名であり、その特長を活かして腕時計の風防や軸受けとして利用されています。砂などがかかる過酷な環境でも傷がつきにくいため、信頼性が求められる窓としても用いられています。
身近なところでは、腕時計の風防のほか、スマートフォンのカメラ窓などでサファイア製窓が用いられています。
サファイアの光学的特性
サファイアの透過特性
純度の高いサファイアは無色透明な結晶で、紫外から赤外まで連続して光を透過する性質を持ちます。特に赤外域で安定した透過特性を持つことから、赤外光を利用する装置や窓に有用です。
サファイアの誘電特性
サファイアは絶縁体であり、様々なドーパントを添加しても導電性を持たせることが難しい素材です。そのため絶縁性を活かした素材としての利用も多くみられます。
一方で、誘電損失係数(ε・tanδ)が非常に小さくかつ化学的にも安定なことから、マイクロ波素材としても有望な素材です。サファイアの音波特性
サファイアは音速(vℓ)が高い材料のため、音が伝わりやすい材料の一つであり、音響インピーダンス値も高い値を示します。この特性を活かして超音波端子プローブや音響光学素子(AO素子)としても利用されています。
サファイアの化学的特性
サファイアは化学的に非常に安定で 酸・塩基溶液にほとんど侵されません。また プラズマ耐性も比較的高いことから、エッチング装置の窓や部品などに用いられています。しかし全く溶けないわけではなく、フッ酸(HF)など腐食性の高い溶液にわずかに侵されます。
カタログダウンロード
- 総合カタログ[6ページ]
- 薄膜成長用酸化物基板[7ページ]
- 単結晶製品[1ページ]
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- 新着ページ
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- 信光社のサファイア加工技術 (2025年01月20日)
- サファイアの特性について (2024年11月15日)
- サファイアの結晶生成技術で製造から最終研磨加工まで一貫対応で加工工程の短縮に貢献 (2024年10月24日)