事例
ポリマーの流動挙動は、メルトインデックス(MI)またはメルトフローレート(MFR)とも呼ばれるメルトフローインデックス(MFI)によって定量化されるのが一般的です。
MFIは、溶融した熱可塑性ポリマーが加圧下でどれだけ容易に流動するかを示す尺度であり、10分間にキャピラリーダイを通過するポリマーの質量として定義されます。
メルトインデックスは品質管理においてラボでは中心となる指標ですが、かなり限定された技術です。
問題はメルトインデックスが、比較的低いせん断速度において1つの温度で実施される1点の粘度測定であり、MFIは実際の加工パラメーターとは大きく異なる条件で測定されることが多いことです。
ポリマーの溶融粘度はせん断速度にも大きく依存し、このせん断速度は押出工程で桁違いに変化することがあります。
また、MFI試験では、ポリマーの分岐を直接定量化したり、分子量分布のわずかな違いを考慮できません。
本事例では、微小振幅の動的レオロジー測定を用いて、メルトフローインデックスと平均分子量が同一の3種類の直鎖状低密度ポ リエチレン(LLDPE)のサンプルを調べました。
レオロジー測定は、溶融したLLDPEのせん断速度に依存する粘度と粘弾性挙動を観察するために使用しました。
レオロジーのデータは、分子量分布や長鎖分岐などのポリマーの分子構造、およびLLDPEサンプルの全体的な流動挙動と加工性に直接関連付けられたことを示します。
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