うみの株式会社で受託した「海水条件下の生分解性試験」に関して、過去事例をご紹介いたします。
そもそも生分解性とは、という内容については下記リンク先ページをご確認ください。
流出油洗浄剤の生分解性試験事例
流出した石油等の分解除去に用いられる洗浄剤に関する生分解性試験です。
この洗浄剤とは、付着した石油等の油類を剥離分解しやすくするための化成品を指します。
具体的な例でいうと、船舶の事故や故障によって油が海面に流出し、海岸の防波堤や砂、砂利などに付着した結果、周辺の生態系、あるいは我々の日常生活に影響が出るような場合に、
その流出油を除去するために使用されています。
この類の洗浄剤は、頻繁に多種類の新商品が出るようなことはないため、
既存製品の生分解性試験はかなり以前に制定されたテストガイドラインに則って行われた、という経緯がありました。
また、この洗浄剤は最初から自然環境中で使用する事を想定しているものであり、顕著な毒性等の害を及ぼさないような特性を要求される、という事情もあります。
そこで、本件のご依頼主である海上防災機関様は、
- 新たに開発された新商品についてその有効性を検証する
- 環境への負荷に関して既存製品と同じ規格で比較することも必要である
とのお考えから、あまり一般的ではない上述のテストガイドラインによる試験の実施を弊社にご依頼されました。
海水条件下における生分解性試験の意義とは?
この流出油洗浄剤の生分解性試験は、特定の申請等に用いるものではありません。
たとえ、法的に実施施義務のない試験であっても
最大限環境への影響を事前に把握する必要性
=メリットは高いと判断された実例であると弊社では考えております。
環境省では2009年に「生物多様性民間参画ガイドライン」を、2014年には「生物多様性に関する民間参画に向けた日本の取組」を公表し、事業活動における環境負荷低減措置の加速を促しております。
化成品と環境を取り巻く将来的なリスクには、
- 人体および環境へのリスク
- 健康被害が証明されたのちの補償金等の経費的リスク
- 企業活動の信用失墜リスク
といった内容がありますが、今回ご紹介した事例はそうしたリスクを低減できるものです。
うみの株式会社といたしましては、海水条件下における生分解性試験といった取り組みを積極的にお手伝いさせていただきたいと考えております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
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