三倍体マガキ種苗のご紹介
うみの株式会社では、1986年に前身である真珠会社の研究所として開設して以来培われてきた様々な二枚貝の増養殖技術を活かし、
現在では牡蠣類等の食用貝種苗を積極的に生産・販売しております。
本稿では、特に現在力を入れている「三倍体マガキ」についてご紹介いたします。
■夏でも身痩せしないマガキ
マガキの旬は冬と言われておりますが、これは可食部の中心である生殖腺が充実するのが産卵期を迎える前の冬から春先にかけてである為です。
通常マガキは春に産卵し、生殖腺が急激に縮小していわゆる「ミズガキ」の状態となってしまうため、夏に食べられる状態のものは一部産地のものを除いてほとんど流通していません。
これを解決したのが、染色体を1セット増やした「三倍体マガキ」です。
三倍体マガキは産卵しない
三倍体のマガキは、その特性上産卵することがほとんどありません。そのため通常のマガキでは出荷できない時期であっても出荷することができます。
これは生産者の立場からすると市場価格の高い時期に出荷できたり、限られた生産設備と生産工程の中で安定した雇用を維持することに貢献できるばかりか、加工品等の製造ラインを通年で運用できるなどのメリットがあります。
また、消費者の観点から見ても、通常オフシーズンに海外から輸入された牡蠣(これも三倍体が多い)を食べるより、国産の出所が明確なものを食べられる方が安心が得られると期待されます。
うみの株式会社の三倍体マガキは100%三倍体
通常三倍体の作出は二倍体卵に温度処理とカフェインを併用した方法が主流のようですが、倍化率を100%にする事は困難です。
弊社では四倍体と二倍体を掛けあわせて作出していますので、理論上(実際に調査しても)100%三倍体となり、いわゆるハズレがありません。
四倍体の作出には非常に高い技術が必要とされますが、弊社では平成27年に作出に成功し、この方法で確認申請を行なっております。
この方法で作出を行なうと、納品ロットごとに倍化率が異なるといったことがなく、安定した商品を提供することが可能となります。
三倍体は勝手に養殖できない
海外では全体の生産量の3~5割がすでに三倍体となっているマガキですが、国内では安易に養殖することは制限されています。
具体的には、染色体操作(※遺伝子操作とは異なります)により作出される水産物についてはその特性を評価し、平成4年7月2日付け4水研第343号水産庁長官通知の「三倍体魚等の水産生物の利用要領」に適合しているかどうか確認申請を行なわなければなりません。
2017年現在、国内で三倍体マガキの養殖について適合通知を受けたのは広島県、徳島県、大分県、三重県内の4か所となっております。
■確認申請をお手伝いしています
弊社では過去、徳島県および三重県における三倍体マガキ養殖に関する確認申請に関わり、いずれも適合通知を得ております。これらの実績および経験を活かし、今後新たに三倍体マガキの養殖に取り組みたい方々に対し、申請作業をお手伝いしております。
牡蠣養殖における効率化、収益力の強化、ブランド戦略など、事業変革に取り組みたい方々はぜひ一度弊社までお問い合わせください。
製品概要 | 三倍体マガキ種苗の販売および確認申請サポート |
特徴 | ・100%三倍体のマガキ種苗を供給可能
・ご当地に元々いたマガキによる三倍体マガキの生産も可能 ・三倍体を養殖する為の確認申請もお手伝い ・養殖法についても資材選定からサポート |
製品名・型番等 シリーズ名 |
三倍体マガキ種苗 |
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