熱中症の労働災害事例集
給湯器製造工場にて、高温環境下での検査作業中に熱中症を発症
最高気温35度の猛暑日、スレート葺きの工場内で給湯タンクの漏れ検査作業を行っていた。工場内は高温で換気が不十分であり、終業間際に作業員が意識朦朧となっているのが発見された。病院へ搬送されたが、熱中症による多臓器不全で死亡した。
| 死亡 | 休業 | 不休 |
|---|---|---|
| 1人 | 0人 | 0人 |
※1 出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=100873)をもとに制作
- 外気温35度等の高温環境に対し、冷房や全体換気などの設備が不十分だった。
- 給水器が作業場から遠く、水分・塩分の補給が適切に行われていなかった。
- 熱中症に関する知識不足や、連日の暑さによる疲労蓄積があった。
- 全体換気やスポット冷房を導入し、作業環境の温度上昇を抑える。
- 手元に水分・塩分を常備させ、WBGT(暑さ指数)に基づき適切な休憩を取らせる。
- 熱中症予防教育を行い、体調不良時は直ちに通報する体制を整える。
板バネ製造工程で焼き入れされた板バネの検査作業中、作業者が熱中症にかかる
焼き入れされた板バネを検査を担当していた作業者が、作業位置で倒れているのを同僚が見て、直ちに救急車により病院に搬送され治療を受けたが、3時間後に熱中症により死亡した。災害が発生した日は、最高気温が35℃に達する猛暑であり、被災者の作業位置では40度を超える室温であった。
| 死亡 | 休業 | 不休 |
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| 1人 | ー | ー |
※2 出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=100876)をもとに制作
- 気温が最高35度に達する真夏日であり、加熱炉付近で作業が行われており、作業位置の室温が40度を超える高温環境下での作業であったこと。
- 作業位置に直径15cmの温度が25℃の空気を吹き出すスポットクーラーが設けられていたが室温を緩和するほど有効に機能していなかったこと。 など
- 作業場所ごとに設けるスポットクーラーは、直径を大きくし、風量を増すとともに、吹き出す空気の温度を24℃程度に下げ、吹き出し口はラッパ状にするなど吹き出す空気が拡散するようにすること。 など
猛暑の炎天下、足場解体部材搬出等作業中に熱中症に
最高気温37.4度の猛暑の中、屋外にて足場の解体およびトラックへの積込み作業を行っていた。作業員が体調不良を訴えたため日陰で休憩させたが、その後容態が悪化。救急搬送されたが、熱中症による多臓器不全で死亡した。
| 死亡 | 休業 | 不休 |
|---|---|---|
| 1人 | 0人 | 0人 |
※3 出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=100740)をもとに制作
- 炎天下(37度超)かつ直射日光を遮る設備がない場所で作業を行わせていた。
- 水分・塩分の補給準備や、作業前の健康状態確認等の熱中症対策が不十分だった。
- 熱中症の初期症状に対する認識が甘く、救急措置・搬送が遅れた。
- 直射日光を遮る風通しの良い休憩所を設け、水分・塩分等の補給設備を整える。
- 高温時は休憩を頻繁に取り、作業時間を短縮する等の措置を講じる。
- 熱中症の疑いがある場合は、直ちに病院へ搬送するなど緊急時の体制を周知徹底する。
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