サービスロボットの「指・グリップ」部品ににおけるタスクに応じた動作設計
「指・グリップ」部品は、人間が手を使いこなすように、多様な物体を安全かつ確実に把持し、繊細に操作することが求められます。これは、単なる機械的な動作だけでなく、対象物の形状、材質、重さ、そして周囲の環境を認識し、適切に対応する高度な機能が要求されることを意味します。
特有の機能要件
人間の手のように多様な形状や質感の物体を、確実に保持・操作できることが求められます。
特に、介護・医療・接客などの現場では、対象物が柔らかい・滑りやすい・壊れやすい場合も多く、接触面の素材特性(弾性・摩擦の大きさ)や制御精度(圧力センサーやトルクセンサーの内蔵)が必要になる場合があります。以下のような項目を整理して考える必要があります。
- 人間の指のような、多関節構造と柔軟性はどの程度とするか
- 指の腹や掌に相当する部分に、適度な弾性を持つ素材を採用する必要が無いか
- 大きな箱を掴む際の、指の開き角度調整できる機構か
- センサーや配線を組み込めるスペースがあるか?
対象物の材質・表面状態に応じた精密な力加減
表面的な部分だけではなく、機械的な構造についても検討する必要があります。例えば、一度掴んだ対象物を、リンク機構等の工夫によって指をロックし、軽い力で長時間の保持を可能にすることなどが挙げられます。これによって、消費電力の削減につながることもあります。
指・グリップ部品は、単なる機構部品ではなく、ロボットが外界とを接続する役割を担い、その性能がロボットの信頼性と直結します。