レーザートラッカーとは?
この記事では、レーザートラッカーについての理解を深めます。
レーザートラッカーはシンプルな測定器で、本体から照射されたレーザーが球状のレトロリフレクター(SMRターゲット)を追尾して、その距離と角度を計算します。測定方法は単純で、SMRターゲットを測りたい対象物に接触させます。レーザー光はターゲットのミラーから反射してトラッカーに戻り、トラッカー内の距離計がトラッカーからレトロリフレクターまでの距離を計算します。取得された座標データは、測定された点のX、Y、Z座標を設定するために、測定ソフトウェアに転送されます。
<精度の良い加工は「設備の正しい設置」から>
加工機、製造機、コンプレッサーなどの設備は、水平で安定した床に正しい位置で設置されてこそ、正常かつ高精度に動作します。しかし、従来の方法である水準器による目視確認やメモリ読み取りでは、設置精度が不足する場合があります。レーザートラッカーの特性を生かした水平測定を行うことで、設備設置の精度を大幅に向上し、生産ライン全体の効率と品質を安定させることが可能になります。
- 床の水平確認:複数のポイントでターゲットを接触させ、得られた数値をもとに床の水平を確認。
- 定盤の精度確認:定盤の四隅にターゲットを接触させ、水平状態を測定しながら調整可能。
レーザートラッカーの活用メリット
- 高精度な測定:勘や経験に頼らず、数値に基づいて設備を設置できます。
- 状態の可視化と共有:測定データを数値化し、社内で共有することで、設備設置の標準化を実現します。
- 安定した設備稼働:常に同じ設置状態を保つことで、設備の性能を最大限に引き出し、生産品質を向上します。
<レーザートラッカーを活用したロボットの動的測定>
ロボットは長期間の使用や運転条件によって、アームの軌跡にズレが生じることがあります。このズレを放置すると、生産精度の低下や不良品の発生につながる可能性があります。こうした課題を解決するために、レーザートラッカーを用いた動的測定が有効です。
ロボットアーム先端にターゲットを取り付け、レーザートラッカーがその軌跡をリアルタイムで追尾することで、以下のことが可能になります。
- 軌跡精度の確認:アームの動作中に、レーザートラッカーが軌跡の精度を測定し、ズレや誤差を検出。
- データの可視化:測定結果を3次元座標データとして取得し、具体的なズレを数値で把握。
動的測定の利点
- ロボットの精度向上:ズレを早期に検出・修正することで、ロボットの性能を最大化。
- 品質の安定化:生産ライン全体の精度が向上し、不良品を削減。
- 作業効率の改善:ソフトウェアにより測定を自動化することで、人的負担を削減。
レーザートラッカーはこのように、大型部品の測定だけでなく、設備設置やロボットキャリブレーションにも活用できます。
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