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事例

近赤外分光装置(NIR)を用いたチーズ中の脂肪および固形分の迅速な工程内分析

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近赤外分光装置(NIR)  / 2024年01月25日 /  医療・バイオ 食品・機械 試験・分析・測定

国際的なチーズ市場では、年間数十億ポンドのチーズが生産されており、世界最大の食
品産業のひとつといえます。チーズやその他の乳製品は、脂肪、水分、タンパク質、固形
分などの各成分を定期的に検査する必要があります。これらの成分はチーズの味や価
格、製造にも影響します。そのため、生産者はチーズ製品中の脂肪分と固形分を迅速に
検査し、正確に予測する必要があります。


脂肪などの成分を予測するための現在のプロトコルとして、バブコック法が使用されて
います。この方法では分析前に濃硫酸を用いて乳成分を分解します。さらに、各成分の
平均値を出すために、熟練したオペレーターが複数のサンプルを分析する必要がありま
す。バブコック法は時間がかかるだけでなく、危険な薬品を必要とし、さらに、分析する
サンプルを破壊してしまうため、このサンプリング方法ではサンプル全体の情報を完全
に反映していると言いがたい側面もあります。


固形分の分析には、加熱乾燥式水分計やマイクロ波乾燥機が使用されますが、その精度
は古典的な重量測定よりも劣る場合があります。また、いくつかの機器の価格は非常に
高価で、投資対効果が低く、導入に向けたハードルとなります。

 

FT-NIRのような品質管理分析ソリューションを検査プロトコルに組み込むことで、大規
模なチーズ検査にかかる時間、材料、労力を大幅に削減できます。Thermo Scientific
Antaris II 近赤外アナライザーは、現在のチーズ検査プロトコルに代わる、迅速で簡便
で正確な検査を提供します。さらに、FT-NIRは水分やタンパク質のような他の成分の定
量も可能です。サンプルにダメージを与えることなく、1検体あたり60秒以内にスペクトル
を取得でき、多変量解析によって、1つのスペクトルからチーズ中に含まれる複数の成分
や特性を予測できます。


当ページでダウンロードできるアプリケーションノートでは、異なる種類のプロセスチーズ(ノンファット、ミドルファット、ファット:すべて風味や添加物が異なる)を使用しました。FT-NIRの利点である測定スピードを最大限にするために、スペクトルの測定前にはいかなるサンプル前処理もせずに、サンプルの温度差がある状態で分析を行いました。

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