ポリエチレン(PE)は、現在使用されている最も一般的なプラスチックです。2017年だけでも、主に包装市場向けに1億トンを超えるPE樹脂が生産されました。PEは世界で製造されるプラスチック全体の約34%を占めます。現在製造されているPEには多くの種類がありますが、このアプリケーションノートでは、一般的な高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成されるフィルムについて解析しました。HDPEはほかと比べて特徴付けるのに十分な結晶性を有していますが、このアプリケーションノートでは、主にフィルムの結晶化度%と結晶子サイズを分析するため、卓上型X線回折装置(XRD)の機能に焦点を当てるため、HDPE、LDPE、LLDPEの3種類のPEを、分析対象としています。
長い間、XRDは材料分析の重要な方法と考えられてきました。それは、XRDが相の同定と定量(中程度から高結晶性のプラスチックの場合)から、結晶化度%と結晶子サイズの決定(結晶性の低い材料の場合)までさまざまな分析が可能であり、これらがプラスチックの結合特性を知るのに有用だからです。この後者のXRD分析手法はプラスチックおよびポリマーにおける業界のスタンダードになっています。
ARL EQUINOX 100 X 線回折装置は、ミラー光学系を備えたカスタム設計のCu(50 W)またはCo(15W)マイクロフォーカスチューブを採用しています。このような低ワットの装置は、外部チラーやその他の周辺機器を必要としません。
また当装置は全ての回折パターンを同時にリアルタイムで測定する独自のCPS検出器(Curved position sensitive detector)を用いているため、他の従来の回折装置と比較してデータ収集が非常に高速です。したがって、反射測定と透過測定の両方に適しています。
当ページでダウンロードできるアプリケーションノートではこのような当装置の特長とその活用例を詳しく紹介します。
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