医薬品の環境影響評価とは?
ヒト用の医薬品は、他の工業化合物等に比較して環境中への排出量が少ないことに加え、『治療効果』という利点がより重視されるために、環境毒性について管理すべき化学物質であるという意識が高くない風潮にありました。
1990年代に入ると、先進国では国際的に化学物質管理について積極的な取り組みが求められるようになり、その流れを汲んで、米国では1998 年に、欧州では 2006 年にヒト用医薬品の環境影響評価に関するガイドラインが発効されました。
日本では、化審法や農薬取締法によって化学物質や農薬が「ヒトと生態系の両方」について影響評価および必要な規制を行うことが義務付けられていますが、薬機法(以前は「薬事法」と呼ばれていました)では、医薬品の『環境に対する』リスク評価については定められていません。
しかし、日本でも下水処理水から一部医薬品の成分が検出されたという報告があり、厚生労働省から「新医薬品開発における環境影響評価に関するガイダンス」(2016年3月30日)が通知されています。
医薬品の環境影響評価の重要性
日本では現在は法的規制はありませんが、国際展開を考える製薬企業にとっては、環境リスク評価はすでに重要な課題であると言えます。
また、社会的責任、企業イメージといったものを考慮した場合に、日本国内における印象も無視できません。
後に「実は悪影響が出ていた」ことが明らかになった場合に、
『何年も前から諸外国では懸念事項として対策されている事について、対策していなかった』
というのは、 一般の消費者の感覚からすれば理解しがたいものであるでしょう。
うみの株式会社がお手伝いできること
うみの株式会社では、これまでも工業排水やバラスト水などを対象とした
全生態影響試験(WET試験)を提供してきた実績がございます。
そのノウハウを、製薬企業様にもお役立ていただきたいと考えています。
排水は海に流入するため、基本的には海生の魚類、甲殻類、藻類を使用した試験が主流ですが、各排水域の環境を考慮して淡水の生物についても確認したい、といったご要望がある場合には、淡水生物の試験も同様に実施可能です。
近い将来には法的に制定されるであろう事案ではありますが、
リーディングカンパニーとして他社に先駆けた早めの取り組みを検討しませんか?
新医薬品における環境影響評価をご検討の際は
うみの株式会社までお気軽にご相談ください。
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