【 WET試験とは? 】
WETとは「 Whole Effluent Toxicity 」 の略で、直訳すると「全排水毒性」となります。
1974年にアメリカで水環境汚染を防止する目的で確立された試験法です。
この試験法の特徴は、
「化学物質1種単独での有害性(毒性)評価ではなく、混合物の状態で生物への毒性を評価する」
ことにあります。
国内の法律では化学物質1種類毎の毒性評価が実施されており、個別に水質安全基準が設定されております。
しかし、現実的に排水には様々な物質がその含有量を経時的に変化させながら含まれていること、さらに化学物質の種類は膨大な数にのぼり、それらすべての環境毒性評価は現実的に実施できない、という状況があります。
こうした背景のもと、実際に排出されている排水そのものをそのまま水棲生物に暴露し、総合的な結果として害があるかないかを判断する、という考えのもとに成立しているのがWET試験です。
WET試験は、「工場排水による環境への有害性評価が必要な場面」に用いられる試験であり、実施する意義、効果は以下の点となります。
1.工場排水が水棲生物に対して影響がない、環境にやさしい工場(事業所)
であることの証明
2.影響を与えうる要因を特定していくきっかけ
3.特定された要因を取り除くことで適切な事業所運営が実現
ただし、法定化されている諸外国においては工場排水の管理法として試験実施が義務付けられておりますが、国内においては、現在その試験法の確立および法定化に向けた取り組みが進められている、という段階の為、義務的な面から考えると現時点ではいずれ導入される規制への事前対策(スクリーニング)、という事になります。
一方で、上述した意義1にある通り、環境に対する影響が少ない事を証明できる一つの手段であることは、環境問題への関心が高まる昨今において特に企業イメージの向上や地域住民への説明責任(CSR)に役立てられる方法であり、この点において実施する価値があると考えられます。
さらに、日本は沿岸部に主要な工場が立地するという事情があります。このことから、弊社としては将来的な国間貿易対策だけでなく、国状を考慮した社会的責任として海水生物におけるWET試験=海水版WET試験をご提案しております。
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