図面検索AIサービスLearningBookを開発 ― 製造業に蓄積された図面情報をAIにより検索・活用し、暗黙知の伝承に貢献 ―

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 / 2021年09月06日 / 

株式会社Glia Computing(本社:東京都千代田区、代表取締役:田上啓介、以下 Glia Computing)は図面検索AIサービスLearningBookを開発し、今秋から展開を開始しました。

 

 

■図面検索AIサービスLearningBookについて

LearningBookは図面に記載されている部品や文字・記号情報を個別または組み合わせることで、対象となる情報を含んだ図面を検索する図面検索AIサービスです。

LearningBookには検索の対象物を認識するよう学習させたAIエンジンを利用して、図面ファイル群の中から対象物を検出・蓄積する機能が用意されています。

図面の中には記号情報とともに文字情報、場合によっては手書きで追記された情報が含まれており、これらの情報も抽出し活用する必要があります。LearningBookでは図面の中から文字の位置を見つけ出し、文字情報として認識する機能を備えています。これにより設計時や障害発生時などに注意書きされた情報も含めた形で、検索した図面情報を活用することができるようになります。

LearningBookを利用することで、若手・中堅技術者の方々でも社内に蓄積された多くの図面の情報の中から、必要な図面を検索し効率的に活用することが可能になり、社内暗黙知を共有する一助としていただくことができるようになります。

 

 ■少ないデータで「まずは試してみよう」を可能に

AIエンジン開発の際は一般的に多くのデータを用意し、これらのデータに対象となる部品のラベルを付加した上で学習させる必要があります。

しかし初めから多くのデータを用意した上でラベルを付加するには掛かる時間や労力が大きくなるため、ちょっと試してみるということが難しい状況となります。

LearningBookではお持ちの図面の中から少ないデータを使って学習を開始し、利用しながらデータの追加・エンジンの再学習を繰り返す機構を用意しており、PoC(Proof of Concept)として、まずは試してみたいと考えるお客様にとって取り組みやすいサービスとなっています。

 

 ■カスタマイズによりお客様の課題に適したシステム化を可能に

図面には様々な種類があり、図面によっては含まれる部品・記号の特殊性からAIエンジンによる認識精度が十分ではないことが考えられます。このような場合には認識に用いるAIエンジンのカスタマイズを行い精度の向上を図ることが可能です。

また図面を検索する手順や利用方法については、実際のお客様の業務における課題・利用方法を考慮した上での対応が必要になると考えます。図面を検索する手順や利用方法がお客様の業務に適合するようシステムをカスタマイズすることが可能です。

Glia Computingでは図面検索AIサービスをお客様の利用方法に合わせた形でご利用いただけるようカスタマイズを行い、お客様における貴重なノウハウの活用に貢献していきたいと考えています。

 

 ■管理のしやすさを考慮したサービス

LearningBookでは、AIエンジンの新規作成から利用・再学習など一連のライフサイクルに対応する各種管理機能も提供しています。

AIエンジンは認識精度を向上させるために、繰り返し学習を行う必要があり、継続した学習の効果を測定するためには学習に利用したデータと生成されたAIエンジンの精度などを正しく管理しておくことが必要となります。LearningBookでは学習に利用したデータと生成されたAIエンジンを継続して履歴管理する機能を用意しており、ユーザーはシステムの利用を通じてAIエンジンの再学習のサイクルによる学習効果を評価できるようになっています。

Glia Computingでは、LearningBookを利用して、社内に蓄積されている設計図面等の情報を有効に検索・活用いただき、Digital Transformation(DX)の一歩を踏み出していただくことを支援してまいります。

@engineer