OKIエンジニアリングでは、移動端末や車載部品のように塩分を含んだ大気に耐えるように設計された製品の劣化評価を実動作に近い状態(冷却ケーブル使用等)で、塩水噴霧試験、キャス試験、および塩分を含んだ環境雰囲気と乾燥、湿潤した環境雰囲気が繰り返されるような塩水複合サイクル試験にそれぞれ対応しています。塩水複合サイクル試験後のユニットの試験片に独自の表面処理を行うことで、孔食の深さの分布状況を面分布としてデータ化(孔食の定量化)する耐腐食評価も実施いたします。
対応する環境試験(塩水噴霧試験)の規格
- JASO M609
- JASO M610
- JIS C 60068-2-11
- JIS C 60068-2-52
- JIS Z 2371
- JIS H 8502
- JIS K 5600-7-1
- JIS K 5600-7-9
- AEC-Q200(MIL-STD-202 Method 101 Test condition B)
- ISO 9227
- ISO 11997-1
※海外自動車メーカー規格にも対応しますのでご相談ください。
塩水噴霧試験(大型品に対応)
塩水噴霧試験機に塩化ナトリウム(NaCl)溶液で噴霧した雰囲気に試料を入れ、金属材料、めっき被膜等を施した金属材料の耐食性を調べます。
■対応する塩水噴霧試験溶液
NaCl:塩化ナトリウム、CaCl2 :塩化カルシウム、MgCl2:塩化マグネシウムなどの単溶液
※混合液も可能
■塩水噴霧試験の温度、塩分濃度
試験規格のほか、メーカー規格など、要求の塩水噴霧温度、濃度に対応します
■塩水噴霧試験の実施例
- コンクリート
- 材料評価:赤外線塗料、電着塗装など
- 船上灯、灯光ランプ、サーチライト、信号灯、トンネル照明
- 自動車部品:モーター、エンジン部品、車載機器
- 装置・機器類:ICカード用モジュール
塩水複合サイクル試験(大型品に対応)
塩水複合サイクル試験機に塩化ナトリウム(NaCl)溶液で噴霧した雰囲気に試料を入れ、塩水噴霧、熱風乾燥、湿潤、外気導入などの条件を任意の順序のサイクルを組み合わせ試験します。
大型塩水複合サイクル試験では、ユニットごとまとめた試料や多数の試料を一度に試験できます。
JISに規定する「中性塩水噴霧サイクル試験」や、JIS H 8502 に規定する「人工酸性雨サイクル試験」にも対応します。
■塩水複合サイクル試験の条件
- 実環境に近い状態で塩水複合サイクル試験塩水噴霧・乾燥・湿潤・外気導入が可能
- 冷却ケーブルを回しながら試験実施可能
■塩水複合サイクル試験の試験溶液
NaCl:塩化ナトリウム、CaCl2 :塩化カルシウム、MgCl2:塩化マグネシウムなどの単溶液、
※混合溶液も可能
■塩水複合サイクル試験の対応温度、塩分濃度
試験規格のほか、メーカー規格など、要求の塩水噴霧温度、濃度に対応します
■塩水複合サイクル試験の実施例・適用範囲
- 自動二輪車部品(ヘッドライト、方向指示器)
- 自動車(PCU:パワーコントロールユニット、ECU:エンジンコントロールユニット、インバーター、モーター、電動ポンプ、ラジエータ、グリル、オイル配管、アンテナ、LEDモジュール)
- 装置・機器類(振動モータ、ブロワモータ、小型コンピュータ、コンプレッサー)
- 街路灯、防犯灯、監視カメラ
塩水シャワー試験、低温塩水サイクル試験
塩水シャワー試験機に冷凍機を搭載した複合サイクル試験機は、欧州、北米自動車メーカー規格の厳しい試験要求に対応しています。寒冷地の実環境を模擬した低温(-20℃)を含む複合試験や、塩水シャワー・塩水噴霧・乾燥・湿潤・低温(-20℃)・常温常湿(23℃、50%)の各試験が可能です。また、北米や欧州などの海外自動車メーカー規格試験も可能です。
■試験条件
試験溶液 NaCl:塩化ナトリウム
試験温度 -20℃~70℃
車載規格等で要求されるシャワーノズル(スウィングノズル)による塩水噴霧、低温を含むサイクル試験に対応可能です。
■キャス塩水シャワー試験の実施例
- 自動車(PCU:パワーコントロールユニット
- ECU:エンジンコントロールユニット
- トーションバー等の車載部品
試験後のユニットの試験片に独自の表面処理を行うことで、孔食の深さの分布状況を面分布としてデータ化(孔食の定量化)する耐腐食評価も実施可能です。
耐腐食評価
OKIエンジニアリングでは、金属材料またはめっき皮膜・塗装皮膜を施した部品・製品の耐腐食評価を実施しています。
金属材料が塩分によって腐食するメカニズムは電気化学的ですが、非金属材料で生じる劣化は、その材料と塩分の複雑な化学的反応が原因である事がわかっています。反応が進む速度は、供試品の表面への酸化塩溶液の付着量、供試品の温度、周囲温度および周囲湿度で決まります。
■レーザー顕微鏡により、アルミ腐食を評価
アルミ(Al)の耐腐食性を確かめるこれまでの手法としては、実体顕微鏡等による外観観察、JIS規格等で規定されている腐食試験の評価方法「レイティングナンバー法」および「腐食減量法」などがありますが、これらの手法では腐食の定量化が難しいとされてきました。
OKIエンジニアリングでは正確な3次元測定が可能なレーザー顕微鏡により、アルミ腐食による孔食の深さを評価することで、腐食の定量化が可能です。
レーザー顕微鏡によるアルミ腐食片の測定
3Dによるアルミ孔食分布表示 | アルミ孔食計測結果 |
キャス試験(CASS)で金属材料の耐食性評価
キャス試験機に酢酸酸性の塩化ナトリウム(NaCl)溶液に塩化銅(CuCl2)を添加した溶液で噴霧した雰囲気に試料を入れ、試験し、金属材料、めっき被膜等を施した金属材料の耐食性を評価します。
キャス試験規格の他、メーカー規格などお客様の要求に対応します。
■キャス試験の対応溶液 :JIS H 8502に準拠
塩化ナトリウム40g/L
塩化第二銅0.205g/L pH3.0(酢酸で調整)
■キャス試験の溶液噴霧量、試験温度
キャス試験の噴霧量:1~2ML/80cm2/h
キャス試験の試験温度:+50℃一定
■キャス試験の実施例・適用範囲
- 材料評価:メッキ品、塗料、SUS材料など
- 部品:リチウムイオン部品など
メッキ品、塗料、SUS材料といった材料、リチウムイオン部品のキャス試験について、こちらからお気軽にお問い合わせください。
塩水噴霧・キャス試験、塩水サイクル試験設備
OKIエンジニアリングが所有する環境試験設備の中で、主な塩水噴霧試験装置、塩水サイクル試験装置、キャス試験装置をご紹介します。
設備名 | 型名 | 主な仕様 |
大型塩水サイクル試験機 | スガ試験機 CYP-200 |
塩水噴霧、熱風乾燥、湿潤などの条件を任意の順序のサイクルを組み合わせ試験します。
試験槽内寸法:幅2000× 奥行1000 × 高さ570
上記4つのサイクル試験が任意の順序で可能 |
---|---|---|
大型塩水サイクル試験機(低温・海外規格対応) |
アスコット AT2600iP |
従来の塩水噴霧、熱風乾燥、湿潤の条件に加え、塩水シャワー・低温(-20℃)での単独モード試験、サイクル試験に対応しています。 槽内寸法︓W2100×H1528×D980[mm] 耐荷重:300[kg] 1. 塩水噴霧試験 試験液:中性5%塩水 噴霧量:0.5~2.5ml/80cm2/h 2. 塩水シャワー試験 試験液:中性5%塩水等 水量:1時間あたり5~10l/m2 3. 保管環境 温度:-20~70℃
塩水噴霧と保管環境を組み合わせた任意のサイクル試験が可能 |
塩水サイクル試験機 | スガ試験機 CY-90 |
塩水噴霧、熱風乾燥、湿潤などの条件を任意の順序のサイクルを組み合わせ試験します。
試験槽内寸法:幅900× 奥行600 × 高さ500
上記4つのサイクル試験が任意の順序で可能 |
塩水噴霧試験機 キャス試験機 |
板橋理化工業 SQ-800-ST |
ISO、JIS、MIL等で規格されている金属材料、めっき被膜などを施した金属材料の耐食性を評価します。 試験槽内寸法:幅800×奥行600×高さ500 試験液:中性5%塩水 噴霧量:1~2ML/80cm2/h 試験温度:+35℃、+50℃一定 |
資料:塩水噴霧・塩水サイクル試験
塩水噴霧試験・キャス試験に関するお問い合わせ
塩水噴霧試験・塩水複合サイクル試験・キャス試験、塩水シャワー試験、耐食性評価について、OKIエンジニアリングまでお気軽にお問い合わせください。
お見積りのご依頼や試験可否については、製品や部品の品名情報、サイズなど、詳しい試験・評価条件についてお知らせいただけるとスムーズです。
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