PIがALMAミリメートル電波望遠鏡用の実質的なヘキサポッド契約を勝ち取る

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 / 2015年11月26日 / 

General Dynamics社の子会社であるVertex Antennentechnik社は、大規模配置の電波望遠鏡用の高精度マイクロポジショナーを25台発注しました。

ALMA(Atacama Large MillimeterArray)国際パートナーシップは、最大64のアンテナ配列で構成される電波望遠鏡を建築中であり、将来これを運用する予定です。このパートナーシッ
プは、北米(米国とカナダ)、欧州、および日本で構成され、チリと協力関係にあります。PIは、望遠鏡の二次反射鏡を高精度に位置合わせするために、合計で25台のヘキサポッドシステ
ムを2011年までにドイツのデュースブルクのVertex Antennentechnikに供給する予定です。ヘキサポッドは、天文学での多軸位置合わせ作業のための位置決めシステムの最初の選択肢になります。ヘキサポッドは、極めて大きな剛性と非常に大きな開口部を提供することができ、またケーブル管理の問題がありません。
PIのヘキサポッドは、200kgの負荷容量に、サブミクロンのリニア分解能とマイクロラジアンレベルの角度分解能を組み合わせています。高度先進技術のデジタルコントローラは、ユーザーがプログラム可能な仮想ピボットポイント(複雑な位置合わせアプリケーションに極めて重要)などの高度な機能を提供しています。6スペースのターゲット位置がユーザーフレンドリな座標に入力され、ベクトル化されたスムーズなモーションによってその位置に到達します。これにより、システムを統合する際に貴重なプログラミング時間を節約することができます。PIの類似の6軸マイクロポジショニングシステムは、ALMA VertexRSI試験アンテナとAtacama PathfinderExperiment(APEX)電波望遠鏡において、その動作の信頼性をすでに実証しています。ミリメートルおよびサブミリメートルの天文学では、従来、無線波から赤外線にまで広がるスペクトル範囲にて宇宙を調査しています。
ALMAは、このスペクトル範囲を使用し、初期の宇宙や銀河系の構造、その発達段階における星や惑星の構造を調査する予定です。ALMAは、高度が5000mを超えるチリのアタカマ砂漠
(地球上で最も乾燥した場所の1つ)に建築されています。このような場所は、ミリメートル波が大気中の水蒸気によって吸収される為、最良の観察を行うための好条件となります。
ALMAの各アンテナには、直径が12mの一次反射鏡(4階建ての家より大きい)が備わっています。モバイルアンテナが、さまざまな配置で、単一望遠鏡として使用されます。アンテナアレイの広がりは、150mと12km(最大)の間になります。2011年に完成予定のALMAは、世界で最大かつ最強の電波望遠鏡になり、分解能はハッブル宇宙望遠鏡の10倍以上も優れています。6軸ヘキサポッドとその高性能コントローラを供給する際に、P h y s i kInstrumenteは、高精度位置決めにおける長年の豊富な経験によってALMAプロジェクトに大きく貢献しています。PIは、米国ニューメキシコにあるALMA VertexRSI試験アンテナで、そのシステムの信頼性と正確性を実証することができました。ALMAの技術上の先駆的プロジェクトである、チリのAPEX電波望遠鏡は、すでに同じPIのマイクロポジショニングシステムを使用しています。PIは、天体望遠鏡用として、ヘキサポッド、マイクロポジショニングアクチュエータ、およびアクティブオプティクスを15年以上にわたって供給しています。これには、ハワイのマウ
ナケア山のいくつかの赤外線望遠鏡や、チリ、南アフリカ、およびカナリア諸島の望遠鏡があります。

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