サーモフィッシャーサイエンティフィックのThermo Scientific HAAKE Pharma 11(二軸スクリュー押出機)は、少量のサンプル(20g程度)を使ってHME(Hot Melt Extrusion=溶融混練)や連続造粒(乾式、湿式)を実施することができます。また、1時間に2.5kg程度の連続生産も可能です。製剤のコンポーネントの研究から生産までを一台でこなすことができる優れた小型卓上エクストルーダーです。
HAAKE Pharma 11(二軸スクリュー押出機)
HAAKE Pharma 11は、二軸スクリュー方式を採用しており、混練するAPI(医薬品有効成分)とポリマーに最適な条件を検証できます。スクリューにセグメント方式を採用し、混練、送り出し、排出などのエレメントを組み合わせることで目的にあった混錬押出を設定できます。また、バレル(シリンダー)は上下に開閉し、エクストルーダーを構成するすべてのパーツを取り外して分解できるのでクリーニング性にも優れます。
■HAAKE Pharma 11 の特長
- GMP対応
- 20g程の少量サンプルで混練が可能
- 2.5 kg/hの連続生産が可能(処理能力はAPIやポリマーの性質によって異なります)
- 最適な混練条件を設定
>セグメント式二軸スクリューの採用により、さまざまな混練モードを再現
>バレルはセグメント(7カ所)ごとの温度設定および管理が可能
>広い範囲での加工温度設定が可能(280℃まで)
>タッチパネル操作で合理的に効率的に最適条件を確立
>小型機種でもスムーズで合理的なプロセスが可能
優れた拡張性
- OPC UA通信による外部PCでの監視、制御が可能
- バレルをL/D 15、25、40に設定可能
- ポートの位置もフレキシブルに6カ所(L/D 40の場合)に設置可能
- ポートにはベント機能を付加することも可能
- 投入する材料に合わせたフィーディングシステム。ペレット、粉末、液体それぞれに適合したフィーディングシステムを選択可能。また、材料に合わせたフィーダー用スクリューをフレキシブルに設定可能
- 専用の空冷式コンベアやペレタイザーを利用してペレット化が可能。ペレットは設定により長さの違うものに加工可能
- スリット式ノズルを変更することで、径の大きさの違うストランドの押し出しが可能
- フィーダーを3台併設可能。種類の違う材料を異なったフィーダーから投入可能
- グローブボックス(アイソレーター)の中に設置可能。取り外してグローブボックスの外で遠隔操作ができるタッチパネルスクリーンを採用
- コンベア以外にTダイや巻取り機を使用することで、シート(フィルム)状にしてパッチ剤に加工することも可能
優れたクリーニング性
- 上下開閉式バレルにより完全に上部および下部のバレルやスクリュー、フレームなどの混練機の構成部品を解体して洗浄(真鍮ブラシによる洗浄、含浸処理など)することが可能。細部に至るまできれいに洗浄できるのでロット間での異物混入や、熱による劣化材料の混入などの問題を排除
- ダイもスプリット構造を採用しているので、開閉して解体し洗浄することが可能
- 全体的に凹凸のないフラットな設計を採用しているため表面や細部のふき取りによるクリーニングが容易
容易に分解・清掃可能な構成部品
ユーザーフレンドリーな設計
- タッチパネルディスプレイと直観的なソフトウェアにより、誰もが簡単に操作可能。タッチパネルスクリーンは取外しが可能で、グローブボックスの外から遠隔操作することが可能
装置にアクセスするユーザーを限定するセキュリティ機能
- パスワードを設定して使用ユーザーを限定可能
データを継続的に記録(オプション)
- データロギング装置を使って測定データを継続的に記録可能
省スペースでの設置
- コンパクト設計の本体は全長がわずか90 cm。専用のウォーターバス、ペレタイザーを並べても、全長で2 mの省スペースでペレット化までのユニットを配置することが可能
- 本体重量は55 kgと比較的軽量化されており、据付場所の変更が容易
万全の安全管理
- 装置前面のわかりやすい位置に非常停止ボタンを装備
- 異常なトルクや圧力を常にモニタリング
-
バレルの安全カバーを外した状態ではエクストルーダー本体の駆動部が動作しない安全機構を採用
スケールアップを確実に
- 専用のソフトウェアによって、製造プロセスにおけるAPIが受ける物理的なエネルギーを管理し、そのデータを利用することで大型のエクストルーダーへのスケールアップを確実で容易なものに(※当社エクストルーダーは、研究開発用途から量産用途までさまざまな機種をラインアップしており、開発ステージに応じた合理的なスケールアップを包括的にサポートします)
サーモフィッシャーサイエンティフィックの他装置を使った複合分析
• レオメーターを利用して溶融時の材料の挙動を少量で確認し、二軸スクリュー押出機の混練条件の最適化に応用
• レオメーターとラマン分光装置を組み合わせて使用することで、混練時の材料の物理的変化と結晶形の変化を同時に確認
• イメージングラマンを使用して、二軸スクリュー押出機で製造されたマトリックス中の固体分散体の状態を可視化
■二軸スクリュー押出機に関するお問い合わせ
難溶性APIの溶解性改善とそれによるバイオアベイラビリティ向上に有効なHME技術に関して、当社はさまざまなノウハウを保有しております。HME技術に関心のある方、導入を検討されている方はお気軽にお問い合わせください。
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