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コラム

二軸押出機の基礎➀ 押出機(エクストルーダー)の原理と二軸押出機の特長

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エクストルーダーはプラスチック、ゴム、食品、飼料、医薬品、バッテリー電極など、さまざまな分野での材料改質、加工に利用されています。この二軸押出機(二軸スクリューエクストルーダー)の基礎シリーズでは、装置の仕組みや特長、パラメーター設定やその意味、後工程オプションを組み合わせた押出成形について解説していきます。


初回はエクストルーダーの仕組みと種類、二軸押出機の特長を紹介します。

 

▼こんな方におすすめです!

  • なんとなく使っているけれど、もっと二軸押出機のことを理解したい
  • 装置構成やパラメーターを変更したいけど、どうしたらよいか不安
  • 二軸押出機をもっと使いこなしたい、もっと活用したい

 

■ 押出機(エクストルーダー)の仕組み

エクストルーダーは、円筒形のバレル内で回転する1つ以上のアルキメデススクリューで構成される装置です。材料はバレルに連続的に供給されます。ホットメルト押出の場合は加熱によって溶融され、湿式押出の場合は溶媒とともに分散され、スクリューとバレル壁面との間でせん断されます。

最終的に、流体材料は圧縮され、ダイを通して特定の断面形状で押し出されます。

 

 

材料が通過するバレルやダイは温度の制御が可能です。またスクリューの回転や材料の供給速度も制御できます。

 

溶融温度(T)や溶融圧力(P)はエクストルーダーのバレルの各位置やダイで測定できます。
トルク(M)はスクリューのドライブシャフトで測定されます。
なお、これらのパラメーターは直接制御することはできませんが、設定温度、スクリュー速度、および材料の供給速度に依存して変化します。


■ エクストルーダーの種類

エクストルーダーにはおおまかに一軸、二軸、特殊タイプに分類されます。

 

一軸タイプ
スクリューが1本のタイプで、他のタイプに比べるとシンプルな構造です。
複数の材料を均質に混錬するためのコンパウンド能力が極めて低いため、材料の開発、製造においては押出成形に用途が限られています。

 

特殊タイプ
3本以上のスクリューを持つものなどがあります。特殊な構造のため、装置が高額で、取り扱いが複雑になってしまう傾向があります。

 

二軸タイプ
文字通り二本のスクリューを組み合わせた構造です。
2本のスクリューの回転方向の組み合わせにより、同方向回転と異方向回転があります。スクリューの構造も2種類のタイプがあります。根元から先端まで、スクリューの直径が同じパラレル型と、根元から先端にかけて直径が小さくなっていくコニカル型があります。

 


パラレル型同方向回転二軸押出機が最も多く使われており、この方式を二軸押出機と呼んでいることが一般的です。

 

■ 二軸押出機(二軸スクリューエクストルーダー)の特長

 

同方向回転と異方向回転
同方向回転タイプは、材料に強いせん断を与えることができるため、コンパウンド能力が非常に優れています。異方向回転タイプは、材料に高い圧力を与えることができますが、せん断力は弱く、コンパウンド能力が低いという特徴があります。コンパウンド能力は低いものの、せん断力が弱いゆえにせん断発熱も低く、熱に弱い材料の混錬に適している場合があります。

 

パラレル型とコニカル型
パラレル型はスクリューの構造をセグメント化、つまり、細かな部品をつなげていくことでスクリューのデザインを変更できます。その結果、材料や目的に応じた最適化や応用範囲が広がります。

 

コニカル型は先端に向かってスクリューとバレルの径が小さくなっている構造なので、先端に向かって高い圧力をかけることができます。円錐形の構造のため、スクリューをセグメント化することが難しく、スクリューの直径に対して長さが短いため、拡張性や機能性はパラレル型に劣ります。
一方で、スクリューの短さという特徴を生かし、装置の小型化による微量での混錬やバイパス流路の併設による還流バッチ混練をすることができます。

 

これらの特長によりパラレル型同方向回転二軸押出機が最も多く使われています。

パラレル型同方向回転二軸押出機は材料に強いせん断をかけることができ、高い分散性や分配性を必要とする材料の作成に向いており、材料のコンパウンディングと押出成型を1台の装置で同時に連続的に行えます。温度、スクリュー回転速度、材料供給速度の制御や、スクリュー構成、ダイの形状変更も容易なことから、さまざまな分野での材料の改質、加工に利用されています。

 

 

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