静岡県立大学

静岡県立大学の事業概要

人類の歴史の中で２０世紀は科学の時代と評されていますが、続く２１世紀は精神や心の時代ないしは思索の時代と言われています。ここに、大学の使命を大いに発揮できる機会があるのであります。大学という組織が、この世で価値のあるものであり続けるためには、常に人類の未来を担う未来ビジネスの拠点であり続けることと、人類が考え出すすべての価値を共有できる奥深い思考が展開できる場所であることが不可欠であります。２０世紀の繁栄は、拝金主義と制御能力を超えた技術にもてあそばれた時代とも考えられるのであります。これからの大学は、教育と研究さらに経営をその機能として有していることが求められています。ここで言う経営は、何も一年間の収支決算で利益を出すことではなく、大学という組織総体の存在価値が社会的に高まることを目指し、組織の継続性が担保されることを意味しているのであります。
　
　大学が自立した経営を行うためには、構成員が大学人として自覚的に大学の有する固有の機能を十分に発揮できることが肝要であります。このための環境整備こそが、学長の職責と考えています。県立大学という位置付けは、広く県民がその存在を誇りに思う組織でありたいのであります。