株式会社ブッス・ジャパンの設備紹介

ブッス・ニーダー技術

ブッス・ニーダーでは、単軸のスクリューが単純な回転ではなく、一回転する間に軸方向に一往復する動作を繰り返します。スクリューは混練フライト(羽根)を持ち、混練ピンが混練フライトの開口部に対応するようにバレル内面に固定されています。スクリューの回転と往復動の組合せにより混練フライトと混練ピンとの間で高度な分散混合をもつ強力なせん断流動が起こります。これによってマトリックス材料及び添加剤の凝集が崩壊し、径方向と軸方向の混合効果の組合せの結果、効率よい分配混合が行われ混練部の最終部分では均質的な混練を確実に行うことができます。

 

50年以上も使用してきたいわゆる第一世代ブッス・ニーダーのスクリューは、外周に3枚の混練フライトがつく仕様でしたが、2000年に導入された4枚フライトの技術では、羽根がオーバーラップし流動安定性が向上するため、極めて優れたパフォーマンスが達成されました。

ブッス・ニーダーにおける混練ピンは、常にバレル内面に固定されていますが、これもさらなる進化を遂げています。混練ピンの先に液剤注入の為の穴をつけたものも用意されたため、液剤を混練中の材料の中に直接注入が可能となり、より効果的な混練がプロセスのあらゆる場所で可能となっています。また混練ピン内に熱電対(温度センサー)を内蔵したタイプでは、混練中の材料の内部温度を必要に応じて高精度にモニターすることができ、より正確で緻密な温度制御を実現しています。

 

マルチ対応新型連続混練機COMEPO(コンペオ)

2018年に発表されたCOMPEO(コンペオ)シリーズは、熱可塑性樹脂、強化プラスチック、エンジニアリングプラスチック、マスターバッチ、からエラストマー、ゴムに至るまで一台で様々な用途に対応し幅広い作業工程に対応できるよう、高い柔軟性・堅牢性とともに作業工程の安定性向上を実現しました。耐熱温度400℃まで対応でき、非常に広いプロセス設定範囲が可能となりました。操作性の向上やオペレーターの安全性向上にも配慮しながら、さらにエネルギー効率の改善による運転コストの削減にも重点を置いて開発されました。またモジュールシステムの採用により、各用途それぞれのコンパウンディング方法に最適な構成が可能となっています。

 

ポリマー業界の技術革新と収益性の改善は、いかに高品質なコンパウンディングを行うかにかかっています。そして最終製品は強靭で耐擦傷性、難燃性、耐候性に優れかつ省エネにもつながっていることが期待されています。これを実現するためには、非常に多種の添加剤をスムーズに均一に混ぜることができる混練機が必要になります。先進的なCOMPEOの導入で、多様なアプリケーションに対応し、よりフレキシブルなプロセス工程を可能とし、コンパウンディングにおける付加価値をさらに増加させることができます。  

 

プロセス設定範囲拡大を可能にした新しい構造

柔軟なスクリューの組み合わせを可能とした新しいコンパウンディング加工部は、スクリューの羽根を2枚から3枚、4枚、6枚まで選択できる混練エレメントを採用し、新しいプロセスエンジニアリングの可能性を広げました。つまり、これまでのスクリュー技術(3枚または4枚フライト)に新開発の2枚及び6枚羽根のエレメントを組み合わせることで、高い処理能力と入力エネルギーの抑制という、これまでは相反してきた2つの大命題を同時に解決することが可能となりました。混練フライトの形状は、材料が流れていく過程全般において、混練フライトと混練ピン間のせん断ギャップが一定に保たれるように、自由局面加工をベースに設計されています。これにより、材料にかかるせん断応力を均等化することが可能となり、局所的な温度上昇のリスクを排除できます。

 

新しいスクリュー形状と原材料供給工程の改良を組み合わせることで、生産量を旧モデル対比20%も向上させることに成功しました。またトルクも容積比で15%向上し、その結果従来よりも長い混合部を配置することが可能になります。これらの改善により、エネルギー効率を犠牲にすることなく、加工安定性が向上しました。スクリューのフライトは、自由局面加工されているので、材料に対して均一なせん断力となり、局所的な温度上昇を抑えることができます。

 

@engineer