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硫黄(S8)ガス腐食試験

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信頼性試験 特性評価 故障解析 劣化評価  / 2019年06月11日 /  自動車 電子・半導体

自動車のエンジンルーム内には、エンジンとさまざまな機器との接続ホースや封止材にゴム部品が使用され、それらゴム部品に硫黄を混ぜあわせる反応により、弾性と耐熱性を持つようになります。 エンジンルーム内の高熱により、ゴム部品から発生した硫黄ガスはECUの電子部品や回路基板の金属部位を腐食させ、オープン故障等の原因になります。

硫黄S8ガス腐食試験とは、ゴム部品から発生する硫黄ガスによる車載機器の腐食を評価する試験です。 OKIエンジニアリングでは、エンジンルーム内の環境を模擬した腐食試験方式として、小型電子部品向けのオイルバス方式と大型モジュール・ユニット機器向けの恒温槽方式の2つの方式を用いています。エンジンルーム内に実装される電子部品や回路基板に対し、実環境に近い環境での硫黄ガス耐性を確認することが可能です。

 

 オイルバス方式と恒温槽方式

     

 

自動車エンジンルームで使用されるゴム製品

 

エンジンルームでは、マスターバックホース、エンジンサージホース、フードシール、コネクターの防水ゴムパッキン、ラジエターホース、インテークパイプなどのゴム部品が使用されています。ゴムの耐熱性向上のため、硫黄の添付量が近年増えており、これらから発生する硫黄ガスがECUの電子部品や回路基板を腐食させ、接触不良を起こすケースがあります。

 

 

硫黄S8ガス腐食試験方式

 

OKIエンジニアリングでは、小型電子部品向けのオイルバス方式と大型モジュール・ユニット機器向けの恒温槽方式の2つの方式で、実環境を模擬した腐食試験を行っています。

 
  オイルバス方式 恒温槽方式
対象品 電子部品 モジュール・ユニット
最大サイズ

ビーカー内40mm×40mm×40mm

※ビーカーは最大4個まで

300mm×300mm×150mm
温度 ~100℃OIL温度 ~95℃槽内温度
湿度 加湿なし 加湿なし
試験時間 1000H 1000H
評価方法 外観観察、特性確認、分析など 外観観察、特性確認、分析など

 

試験温度の設定について

試験温度は、硫黄粉の融点115℃以下で設定します。恒温槽方式は75℃~80℃に調整して実施しており、オイルバス方式は熱の逃げを考慮し、高めの100℃設定としています。

 

粉塵爆発の危険性について

ビーカーやシャーレに入れた硫黄粉をオイルや恒温槽で加熱する独自方式により、硫黄粉が微粉末状で浮遊することを防ぎ、爆発の危険をなくしました。

 

 

ガス腐食試験の例

 

OKIエンジニアリングでは、ガス腐食試験後の外観観察、特性確認、分析等を実施しております。また、ガス腐食試験は、耐水、耐オゾン性、耐熱性、耐寒性、耐腐食性などさまざまな信頼性環境試験と組み合わせることも可能です。

 

試験の種類

JIS規格試験
  • シングルガス腐食試験H2S、SO2等、単一のガスで実施
  • 混合ガス腐食試験 H2S、NO2、Cl2、 SO2の4種の中から2種、3種または4種の混合ガスで実施
自動車メーカー規格試験
  • サイクルガス腐食試験ガス腐食試験槽で実施
硫黄S8ガス腐食試験
  • 硫黄粉を気化させた硫黄蒸気試験
  • 試験装置は当社自製オイルバス方式、恒温槽方式

 

S8ガス腐食試験に関するお問い合わせ

 

硫黄S8ガス腐食試験について、OKIエンジニアリングまでお気軽にお問い合わせください。

お見積りのご依頼や試験可否については、製品や部品の品名情報、詳しい試験や分析の条件についてお知らせいただけるとスムーズです。