2016年10月に国際規格である「CISPR 25: 2016 Ed.4 Annex I」においてEV/HV向け車載部品に関する評価方法が新たに追加となり、走行時を模擬した実負荷環境下でのEMC試験が必要となりました。また、2019年1月には「ISO 11452-2 Ed.3 Clause 8」および「GB/T 36282-2018」、2020年4月には「ISO 11452-4 Ed.5 Clause 8」、2021年10月には「ISO 11452-9 Ed.2 Clause 7.3」にも同様の試験が追加され、走行時を模擬した実負荷環境下でのEMC試験の必要性が増しています。
固定型ダイナモ搭載波暗室(EHV Chamber)
UL Solutionsでは前述した規格で要求される試験に対応した、固定型ダイナモメーター搭載した電波暗室、EHV Chamber*をオートモーティブテクノロジーセンターに1基、鹿島EMC試験所に2基の計3基を所有しております。最高トルク125Nm、最高回転数12,000 rpm、動力吸収容量170 kWの実負荷までを再現できる固定型ダイナモメーターを搭載しています。
* EHV Chamberとは、電気自動車およびハイブリッド自動車(EV/HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室。走行状態を模擬した実負荷をかけた状態で、試験対象が発生するノイズ(電磁妨害波)が他の機器に影響を与える危険性があるか、あるいは一定の強さのノイズを受けた時に誤作動が起こらないかといったEMC(電磁環境両立性)を計測する試験設備です。Chamberとは、この場合電波暗室のことを指しており、外部環境に存在する電波の干渉を受けないよう、また内部から発生する電波を遮断できるように建設されたシールド空間のことです。
オートモーティブ テクノロジー センター(ATC)
2018年に国内初となる電気自動車およびハイブリッド自動車(EV/HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室「EHV Chamber (Electric & Hybrid Vehicle Chamber)」 を設置し、サービス提供を開始しました。
EHV Chamberでは、既存の高電圧対応電気試験に加え、EV/HV向け試験をワンストップでサービス提供することが可能となります。
鹿島EMC試験所「次世代モビリティ棟」
千葉県香取市の鹿島EMC試験所では、EHV Chamber 2基を備えた次世代モビリティ棟を建設し、2020年1月より次世代モビリティ棟での業務を開始しました。これによりATCに加え東日本でも「CISPR 25 : 2016 Ed.4 Annex I」「ISO 11452-2 Ed.3 Clause 8」及び「ISO 11452-4 Ed.5 Clause 8」対応のEMC試験が実施可能となりました。
UL Solutionsは日本国内で28基の電波暗室、30基のシールドルームを有しており、第三者機関の商用施設としては国内最大規模となります。UL SolutionsはEV/HV市場拡大に備える国内車両メーカーおよび部品メーカーの試験期間の短縮を実現し、開発体制のサポートをさらに強化します。
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