2016年10月に国際規格、CISPR 25:2016 Edition 4が正式に発行され、Annex IにEV/HVに搭載される高電圧電源製品の評価方法が新たに追加されました。EV/HV用車載部品の製品化段階において、走行中を模擬した実負荷試験が要求されます。
電気自動車およびハイブリッド自動車(EV/HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室(EHV Chamber)は、走行状態を模擬した実負荷をかけた状態で、試験対象が発生するノイズ(電磁妨害波)が他の機器に影響を与える危険性があるか、あるいは一定の強さのノイズを受けた時に誤作動が起こらないかといったEMC(電磁環境両立性)を計測する試験設備です。
固定型ダイナモ搭載波暗室(EHV Chamber)
高電圧の電気モーターシステムの評価を可能とする設備です。電気モーターがシャフトを通して暗室外のダイナモメーターと接続しており様々なトルクや回転数での運転状態の試験および回生状態の試験設定が可能です。
ダイナモメーターは永久磁石式交流サーボモーターで、モーターからの電磁波ノイズはシールドカバーで遮断されており、交流の入力電源にもノイズフィルタを搭載していますので、EMCの心配はありません。電気モーターへ動力を伝達するシャフトは非導電性で基準大地面とは絶縁されています。
大型の電気モーターの際には固定する治具も製作いたします。
運転状態と回生状態の動作を可能とする高出力な電源を所有しており、運転状態用にはDC500V/160Aまで。回生状態用にはDC750V/40Aまでの対応が可能です。また、循環水冷方式の冷却システムも完備しており試験サンプルを適切な温度環境下でテストすることが可能です。
オートモーティブ テクノロジー センター(ATC)
2018年に国内初となる電気自動車およびハイブリッド自動車(EV/HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室「EHV Chamber (Electric & Hybrid Vehicle Chamber)」 を設置し、サービス提供を開始しました。
EHV Chamberでは、既存の高電圧対応電気試験に加え、EV/HV向け試験をワンストップでサービス提供することが可能となります。
鹿島EMC試験所「次世代モビリティ棟」
千葉県香取市の鹿島EMC試験所では、EHV Chamber 2基を備えた次世代モビリティ棟を建設し、2020年1月より次世代モビリティ棟での業務を開始しました。これによりATCに加え東日本でも「CISPR 25 : 2016 Ed.4 Annex I」「ISO 11452-2 Ed.3 Clause 8」及び「ISO 11452-4 Ed.5 Clause 8」対応のEMC試験が実施可能となりました。
鹿島EMC試験所の拡張により、ULは日本国内で24基の電波暗室を所有することになり、第三者機関の商用施設としては国内最大規模となります。
ULはEV/HV市場拡大に備える国内車両メーカーおよび部品メーカーの試験期間の短縮を実現し、開発体制のサポートをさらに強化します。
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