世界は「物を測る」ということに依存して動いており、何百年もの間、それはその時代の道具によって達成されてきました。例えば、物差しや巻き尺は昔からある一般的な測定機器です。少し複雑にそして精密になると、マイクロメータやハイトゲージなどのメカニックな測定機器が登場します。
技術の進歩によって産業の成長が飛躍的に加速されると、企業はそれに対応するための新しいツールを必要とするようになりました。厳格なグローバル測定基準に合わせて、再現性のある正確な結果を出すソリューションを必要としたのです。
1960年代になると、いわゆる門型の測定機が使われるようになります。コンピュータ制御で自動的にプローブが移動して測定を行い、複雑な形状をはるかに高い精度で捉えることができます。
1980年代になると、ポータブルアームと呼ばれる、人間の腕のような測定器が開発されました。多関節型のポータブル3次元測定機は、一般的に測定アームとして知られており、門型三次元測定機よりも可搬性と柔軟性に優れています。門型測定機では定盤上の対象物に対して3軸で動作するプローブによって測定をしますが、形状が大型で複雑になればなるほど、測定できない部分が生じたり、定盤に載せることができなかったり、といった問題が生じるようになりました。
ポータブル測定アームは、3次元空間でプローブの位置を特定・記録し、ソフトウェアを通じてその測定結果を出力します。アームの関節に埋め込まれたエンコーダーによって、測定点でのプローブの正確な位置を計算します。
FAROの測定アームは2mから4mまでの5種類のサイズと、3種類のレーザーラインプローブをご用意し、アーム型3次元測定器のパイオニアとして、みなさまの測定ニーズに合わせたモデル・ソフトウェアソリューションをご提案します。
ポータブル測定アームを使うことで、以下のことが可能になります。
- 従来の門型三次元測定機の利点である信頼性、再現性、高精度に加え、手動式測定器の汎用性と携帯性を兼ね備えた運用が可能
- 複雑な形状の部品も含め、部品全体を素早く簡単に測定
- 温度管理された部屋を必要とする従来の三次元測定機とは異なり、温度補正センサーにより様々な環境下で動作可能
- 個々の部品を検査室に持ち込むのではなく、部品の製造現場にアームを持ち込むことで、検査のボトルネックを減らし、生産性を向上
- 完全な3Dデジタルデータによる分析を行い、いつでもデータを確認可能
- 記録と共有のための検査レポートを簡単に作成
データの取得、分析、検査の時間が大幅に短縮されたことで、その時間を生産量の増加、製品ラインの多様化、労働力の効率化などの対応に使うことができます。新しい価値の創造、これこそがデジタルトランスフォーメーションです。
*FaroArm*接触測定用アーム型3次元測定器
- 寸法分析:部品の情報を収集し、データを図面や設計図と比較
- CADベースの検査:CADモデルのデータを測定し、リアルタイムにフィードバック
- 機上測定:部品の製造前、製造中、製造後に、その部品を製造する工作機械上で検査
- 初回品検査:生産前のサンプルを確認し、公称データと比較
- アライメント:治具や検具を正しい位置に調整
- リバースエンジニアリング:部品や対象物をキャプチャしてデジタル化し、CADモデルを作成
*ScanArm*非接触測定も可能なアーム型3次元測定器
- 触れると変形しやすいやらかい形状の検査
- 複雑な形状の3Dデジタルデータ取得
- CADデータとの比較、カラーマップでの合否判定
- ラピッドプロトタイピング、リバースエンジニアリング、3Dモデリング
この記事は、『ポータブル測定アームを理解する』をベースに加筆修正しました。元記事は下記のリンクからお読みいただけます。
【このページの関連ページ】
- 現場での3次元測定
- サイト内検索
- ページカテゴリ一覧
- 新着ページ
-
- オンデマンドウェビナー | 新しいQuantum X FaroArmのご紹介 (2024年11月20日)
- 導入事例 | オートバイ業界の名匠モリワキエンジニアリング が、FAROの3Dレーザースキャニング技術で実現する革新 (2024年11月18日)
- 記事 | 大型部品の3次元測定用途向けFARO Focus レーザースキャナー (2024年11月12日)
- JIMTOF2024 出展者ワークショップのお知らせ (2024年11月01日)
- 導入事例 | スターを目指す道のりは学生から始まる (2024年10月30日)
- オンデマンドウェビナー | 自動車シート、測定からレポート作成までを効率化 (2024年10月28日)
- 導入事例(動画) | パーカー・ハネフィン社が精密製造の秘密を語る (2024年10月24日)
- ガイドブック | 板金プレス加工用3D技術 の完全ガイド (2024年10月22日)
- オンデマンドウェビナー | 樹脂成形品の工程管理、不具合解析でのQuantum Max ScanArm活用法 (2024年10月17日)
- 資料ダウンロード|製品カタログ|ガイドブック|導入事例 (2024年10月16日)