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コラム

ユーザーボイス | 京商株式会社 3Dレーザースキャナーで細部までこだわった模型作りを実現

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実車の模型を自分で操縦する喜び

3Dレーザースキャナーで細部までこだわった模型作りを実現

 

  • ユーザー:京商株式会社
  • 導入機材:FARO Focus3DX / FARO Freestyle2
  • 用途
  • 実物の自動車の全体をFocusでスキャンし、内装やシャーシなどをFreestyleでスキャン。精密なミニカーやラジコンカーボディの設計のために3DスキャンデータからCADモデルを作成。  

FAROスキャナー導入以前の課題

  • 写真を何百枚と撮影してそれをもとにケミカルウッドを削って原型モデルを作成。モデル作成までに約1か月~3か月程度かかっていた。
  • 取材時は寸法把握の為にメジャーを入れた撮影を行うなど、長時間の取材となる事が多かった。
  • 写真はレンズや焦点距離により仕上がりが変化する為、正確性に欠ける部分があった。

 

Focus3DX/Freestyle2導入理由

  • 実車の正確な形状を3Dデータ化することができるため導入。
  • 車の内装やシャーシ・エンジンルーム等の細部をスキャンするためFreestyleを導入。

 

導入の効果

  • 模型として重要な「形の再現」において、スキャンすることで精度が向上し、より細部の再現性を高めた商品を作ることができる。

  • 実車取材から原型モデル設計までの時間が短縮された。

  • 取材時間の短縮により、オーナー様の負担が少ない取材をすることが可能になった。

 


 

 

1963年創業の京商株式会社(以下、京商)は、ミニカーやラジコンカーの模型を製造する世界トップクラスのメーカーです。速さだけでなくよりリアルさを追求したラジオコントロールモデルや精密なミニカーなど、一般車からカスタムカーまで幅広いラインナップを揃えています。

 

モデル作成までの長い道のり

以前は、実車の写真をあらゆる方向から何百枚も撮影し、それを元に原型モデルを作っていました。ケミカルウッドなどに車の側面図を転写し、そこからアールをとるなどして細部を仕上げていき、立体モデルを製作していきますが、写真は視差があり二次元のため、その仕上がりによって車のイメージが左右されてしまいます。手作業で削っては眺めての修正を繰り返すので、試作モデルの作成まで長いと3ヶ月以上かかっていました。また、二次元の写真から設計するため細部の見落としがあるなど、今の模型に比べると再現性も十分ではない部分もありました。

 

3Dスキャナーによる実車のスキャン アナログからデジタルへ

京商では、2016年にFocus 3DXレーザースキャナーを導入し、それ以降モデル作成のために実車をスキャンしています。2022年には内装やシャーシなどをスキャンするために、Freestyle2ハンディスキャナーを導入し、より細部までデータを取得することができるようになりました。R&Dグループ開発/サブマネージャー、片野氏は、「車の外側を全体的にスキャンするためにFocusを導入しました。大きいものだと電車1両をスキャンしたこともあります。車の内装はFocusだと陰になるところがスキャンしにくいためFreestyleを導入しました。車に乗り込んで内部を簡単にスキャンでき、エンジンルームやシャーシなどもデータを取得することができるようになりました」と導入理由について述べています。

 

Focus Feestyleレーザースキャナー

Focus3DXで実車の外側をスキャン(左) Freestyle2でエンジンルームをスキャン(右)

 

京商では多種のラジオコントロールモデルを製品化していますが、MINI-Zという小スケールのシリーズはプラボディを採用し、実車の再現性を高めています。大きなスケールのラジコンカーは、レース主体であればボディの実車再現性はさほど重要では無く、ボディは一体で製作します。同社では業界で初めてポリカボディにスライド型を採用するなど、再現性の高いボディの制作にも力を入れており、今はFocus3DXおよびFreestyle2のスキャンによりデータで形状を取得できるので、どのスケールでも実車のカッコ良さを再現したボディを製作できるようになりました。また、ミニカーにおいては特に形状が重要であり、スキャンによる正確な形状データにより、ボディや内装、シャーシに至るまで正しい形状再現を可能にし、より実車に近いものが製作できるようになったのです。「『京商が作っている模型だから、よくできているよね』とお客様からは高評価をいただいています」と片野氏が語るように、コレクター向けのミニカーはもちろん、ラジコンカーもコレクションと呼べるような高品質なものになっています。

 

フェラーリF40 LM

1/12フェラーリF40、コンペティツィオーネ(レッド)の模型。「このようなレア車の取材もスキャナーがあればスムーズに行えます」(片野氏)

 

世界の京商が次に目指すもの

「ラジオコントロールモデルでは、私たちは世界戦が行われるようなレースで連続してチャンピオンの座にもついており、もともとレースに強いメーカーです。そして、速いだけでなく、実車に近いイメージで再現したラジオコントロールモデルを自分で操縦できる、というプラスの魅力を付加しています。また、ミニカーでは普段見ることができないような貴重な名車もモデル化していきますので、リビングに飾っていただくなどお客様に楽しんでいただきたいですね。スキャナーがあれば、それが可能だと思います」と片野氏は今後の抱負についても語ってくれました。

 


 

京商片野氏とマツダサバンナGTインタビューにご回答いただいた、R&Dグループ開発/サブマネージャー 片野亮氏。

 

「写真に写っている、1972年式のマツダ サバンナGTの取材は、広島にあるマツダミュージアムにて行いました。そこでの作業は、来客があったために閉館後の数時間しか作業ができない限られた環境の中でした。その中でもスキャンを可能としたのは、Focus3DX があったからだと思います。」(片野氏)

 

 

 

 

 

 

現場での3次元測定
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