弊社振動台にて、同型の試験体内部にウェイト有り無しで重心高を変えた2つの条件(A)(B)でそれぞれ同じ加振を行い、モーションキャプチャーで転倒に対する安全性を可視化しました。
条件(A):試験体内部にウェイトを積んでいない重心高が高い条件
条件(B):試験体内部にウェイトを積んだ重心高が低い条件
注:本試験は背が高い左の試験体(家具)で実施しました。
最下部に簡単に視聴できるモーション動画・ビデオ動画と、モーションキャプチャーの利点が分かりやすいフリービューア使用手順のリンクがございますので、ご覧ください。
<加振環境>
・試験体の設置状態
試験体は未固定で、さらに加振の震度が分かる震度計も設置しました。
・計測マーカーの設置状態
試験体の傾きを計測するために、緑〇部で示すように試験体上部へ複数のマーカーを設置しました。白い〇がマーカーです。
・カメラの設置状態
建屋内部に取り付けた複数台のモーションキャプチャー用カメラで、マーカーの位置を多角的に撮影することで、3次元で精度の高い変位計測が出来ます。
<計測データのモーション動画>
モーション動画の説明をします。画面左側は各マーカーより作成したステックピクチャー(補助線)を表示しており、右側に前後方向傾斜角の時系列波形のグラフと傾斜角を表示しています。一般的なビデオ動画では動きを数値化できませんが、モーションキャプチャーでは定量的に示すことができます。さらに、フリービューワーをご覧いただくと分かりやすいのですが、視点を移動して確認することも可能です(真横、真正面、斜めから見るなど自由自在です)。
<異なる条件を重ねたモーション動画>
重心高が異なる条件[(A)重心高が高い〔緑色〕:最大傾斜角13.25°][(B)重心高が低い〔桃色〕:最大傾斜角8.94°]のデータを重ねた動画で、このように重心が低い方が同じ加振でも最大傾斜角が小さくなることが確認できます。
また、これらより転倒に対する安全率も後述のように高まったことを証明できます。
<参考:転倒条件>
上記のような試験体が転倒する条件は、重心位置(今回は中心にあるものとします)から延ばした垂線が試験体の回転支点の左側位置になった場合で、転倒する角度θは
θ=Atan(195/748)=14.61°
で計算されます。
<異なる条件を重ねたモーション動画>より各条件でそれぞれ、転倒に対する安全性を計算しました。
(A)の条件:14.61°/13.25°=1.10
(B)の条件:14.61°/8.94°=1.63
(A)→(B)による安全性向上率:(1.63/1.10-1)×100=48%
(A)から(B)へ重心高を低くしたことで傾斜角が小さくなり、安全性が1.10から1.63へ48%高くなったことをモーションキャプチャーで確認できます。
これらは重心が同じ場合ですが、今回は重心を約300mm下げましたので転倒角度は
θ=Atan((195)/(748-300))=23.52°
となり、さらに安全率は高くなっています。
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