■概要
グローワイヤ試験は、所定温度のグローワイヤを押し付けて、燃えるか否かを確認する試験です。
電気・電子製品の異常過熱が起こりうる抵抗や、トランスなどの部位に使用する樹脂材料等に対して、その着火温度や燃焼性を評価することを目的に実施します。
現在JIS(日本産業規格)、IEC(国際電気標準会議)規格等で規定されています。
■試験方法
550~960℃のグローワイヤ(熱源)を、30秒±1秒間試験片に押し付けて、以下の事項を確認します。
a)試験片が着火しないか。
b)試験片からグローワイヤを離した後、炎及び/又は赤熱燃焼の継続時間が30秒を超えないか。
c)試験片の燃焼もしくは赤熱が起きないか。
d)試験片の下に置いた包装用ティシュが着火しないか。
■活用事例
材料の耐火性基準として、グローワイヤ試験が幅広く活用されています。
LED照明器具の電気用安全法に基づく試験では、電源回路充電部の外郭または囲いは、金属製又はグローワイヤ試験で650℃に合格する材料であることが求められます。
家電製品の安全規格(IEC60335-1)では、電子レンジといった可動型機器で通常作動時に0.5Aを超える電流が流れる回路の接続部(コネクター等)に使用される材料は、最終製品のグローワイヤ試験で750℃合格が要求されます。
また、製品での試験の代わりに、材料でGWFI 750℃を取得することでも代替可能です。
情報機器の安全規格(IEC60950-1)では、防火エンクロージャの外部の装飾部分等に使用される材料にはHBが要求されており、それをグローワイヤ試験で550℃合格することで代替することが可能です。
■試験用途
・電子部品・電子機器の耐火性の評価
・熱的危険(火傷防止)の製品安全性の評価
・樹脂材料の構成物質の特性変化の評価
■対応規格
IEC 60695-2-10(JIS C 60695-2-10)、IEC 60695-2-11(JIS C 60695-2-11)
IEC 60695-2-12(JIS C 60695-2-12)、IEC 60695-2-13(JIS C 60695-2-13)
- サイト内検索
- クオルテック公式サイト
- 新着ページ
-
- 基板の実装不良における様々な観察事例②(基板要因) (2024年04月16日)
- 車載部品における、耐油・耐薬品性能の試験方法をご提案します。 (2024年04月02日)
- 高温と低温の液媒体へ浸漬を繰り返し、急激な温度変化を与える「液槽冷熱衝撃試験」 (2024年03月19日)
- ガラス材の内部にレーザ加工する事により、表面に凹凸のないマーキングが可能です。 (2024年03月05日)
- CP加工(イオンミリング)による超精密試料 (2024年03月04日)