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事例

実装基板のはんだ接合などに短時間で温度変化を与える「気槽式冷熱衝撃試験」

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自動車 試験・分析・測定 家電・AV

■概要

気槽式冷熱衝撃試験は、温度サイクル試験と同様に高温と低温の交互にさらしますが、その温度変化時間は5分以内と短く、供試品の温度変化に対する耐性を評価する環境試験です。

  

■詳細

概要で述べたように、気槽式冷熱衝撃試験では、温度サイクル試験よりも短時間で温度変化を与えます。そのため、供試品が熱膨張係数の異なる材料で構成されている場合、高温と低温への切り替わり時に各構成材料が急激な温度変化を受けることにより内部応力が発生し、その繰り返しによる疲労を受けて最終的には破壊に至る可能性があります。よって、疲労破壊の寿命を短時間で確認するのに適しています。JIS規格としては、JIS C 0025:1988 環境試験方法(電気・電子)温度変化試験方法でしたが、2011年2月21日に廃止され、現在は、JIS C 680068-2-14:2011に切り替わっています。
 
試験で想定している環境としては、以下の通りです。
①供試品が、暖かな室内から冷えた外気にさらされた場合、またはその逆
②供試品が、降雨によって突然冷却された場合、または、冷水に浸された場合
③外部に取り付けられた航空機用電子装置の内部の場合
④輸送および保管時に条件が変化する場合
 
上記の環境下で供試品の電源を入れた場合、内部に著しい温度勾配が生じ、構成機器は、温度変化のストレスを受けます。よって、温度変化の回数、温度差およびその時間間隔が重要なパラメータとなります。
 
車載関係の規格では、JASO D014-4の5.3.2で、ISO16750-4:2006(E)の5.3.2となります。
規格では、基本的に電気的な動作は要求されませんので、クラックなどの機械的な欠陥を評価する試験となっています。
 
主な試験用途としては、
・実装基板のはんだ接合評価
・供試品の抵抗変化率の評価
に用いられます。
 
以上、温度サイクル試験と比べ、熱衝撃試験は温度勾配が大きいことから試験時間の短縮効果は期待できます。
しかしながら、一方で、実際の使用状況との違いに起因する故障メカニズムの違いや加速係数の算出などが課題となっています。1)

   

温度プロファイル例

 

■設備紹介(代表例)

気槽冷熱衝撃装置
メーカ:ESPEC
型式:TSA-303EL-W(300L)
   TSA-203ES-W(200L・300℃)
TSA-201S-W(200L・200℃)
   TSA-71H-W(70L)
1.温度範囲
高温さらし:+60℃~+200又は300℃
低温さらし:-70℃~0℃
     (300Lは-65℃~0℃)
2.テストエリア寸法(mm)
300L=W970×D670×H460
200L=W650×D670×H460
70L=W410×D370×H460

 

■対応規格

JIS C8917、JIS C 60068-2-14

 

■参考文書

1)エスペック技術情報 No.50

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